UNDP南アフリカ事務所は、日本政府の資金支援のもと、AquaTech技術の導入・設置・研修を行うプロジェクトの提案募集を開始しました。
本プロジェクトは、太陽光発電式自動フィーダーやAI搭載型給餌装置、小規模魚加工施設の導入を通じて、南アフリカ各地の養殖業の生産性向上と気候変動へのレジリエンス強化を目指すものです。
応募締切は2025年10月27日(ニューヨーク時間10:00 AM)であり、日本企業やスマート農業分野の技術提供者の参画が期待されています。
再生可能エネルギーとAIで養殖業を変革
本プロジェクトは、南アフリカの養殖業における生産効率の改善と気候変動対応を目的に、再生可能エネルギーとスマート技術を組み合わせた革新的な取り組みとして位置づけられています。
具体的には、全国8州に合計32基の太陽光発電式自動フィーダーを導入し、各地域の水産生産者の自立的な運営を支援します。
設置地域はEastern Cape、Free State、Gauteng、KwaZulu-Natal、Limpopo、Mpumalanga、North West、Western Capeであり、地域の環境条件や産業特性に応じた分散配置が計画されています。
さらに、フリーステイト州Gariep DamのAgricultural Technology Demonstration Center(ATDC)には、AI搭載型自動フィーダー5基が設置される予定であり、データ分析による給餌最適化と省エネルギー化を実現します。
これにより、従来の人手依存型の養殖管理から脱却し、持続可能なブルーエコノミーの基盤構築が期待されています。
現場に根ざした技術導入と人材育成
本プロジェクトのもう一つの重要な柱は、現地での設置・試運転(コミッショニング)と技術研修の実施です。ATDC内には小規模魚加工施設も新設され、地域住民が収穫から加工までのバリューチェーンを担える体制が整えられます。
各設置現場では、4〜6時間にわたるハンズオン型研修が行われ、南アフリカの労働安全衛生(OHS)および電気規格に準拠した設備運用を学ぶことが求められます。
研修には認定済みのトレーナーや技術者が参加し、農家やATDC職員が機材のメンテナンスやトラブル対応を自ら行えるよう支援します。
これにより、単なる設備提供にとどまらず、現地人材の能力強化と持続可能な運用モデルの確立が図られます。
UNDPは、このような知識移転型のアプローチを通じて、南アフリカ国内の技術自立と地域経済の発展を促進する方針です。
日本企業への参画呼びかけと応募手続き
本案件は、国際調達システム「UNDP Quantum Supplier Portal」を通じて実施されており、応募を希望する企業はポータルに登録し、案件番号「UNDP-ZAF-00176」を検索して提案書を提出する必要があります。
提出締切は2025年10月27日(ニューヨーク時間10:00 AM)で、提案はポータル上でのオンライン提出が必須です。特に、AquaTech、AI、太陽光発電、スマート農業分野に強みを持つ日本企業の参加が奨励されています。
UNDPは、日本の技術革新と南アフリカの現場力を結びつけることで、TICAD方針に沿った気候レジリエンス型開発モデルを推進する意向を示しています。
これにより、養殖産業の効率化のみならず、地域雇用の創出や農村生計の改善など、広範な社会的インパクトが期待されます。
応募に関する問い合わせは、UNDP南アフリカ事務所の調達部門まで受け付けられています。















