アクプランタ株式会社は、ウガンダ国立農業研究機構（NARO）と農業分野における包括的協力覚書（MoU）を締結しました。
両者は、共同研究や技術移転、人材育成を通じて、アフリカの農業システムの強化と気候変動への適応力向上を目指します。
ウガンダ国内で進む干ばつ被害への対応として、同社が開発した高温・乾燥耐性資材「スキーポン」を活用した実証実験も進行中であり、今回のMoU締結はその取り組みをさらに加速させるものです。
ウガンダと日本の農業連携が新たな段階へ
アクプランタとウガンダ国立農業研究機構（NARO）は、2025年9月4日に現地・エンテベで、農業研究や技術開発、人材育成など幅広い分野での連携を定めた包括的協力覚書（MoU）を締結しました。
調印式には佐々山拓也・駐ウガンダ日本国大使も立ち会い、気候変動対策における日ウガンダ間の協力深化への期待が示されました。
NAROのYona Baguma事務局長は「このMoUは気候変動と食糧安全保障という世界的課題に植物科学を活用する上で大きな節目」と述べ、長年にわたる両国の友好関係を基盤に地域社会への貢献を強調しました。
アクプランタの金鍾明CEOも「持続可能で豊かな世界の実現に向け、実践的な解決策を届けたい」とコメントし、両国間の科学技術協力の重要性を語りました。
スキーポン実証と国際支援で進む気候変動対策
ウガンダでは国民の約7割が農業に従事していますが、近年は乾季の長期化により収量が減少し、干ばつ対策が喫緊の課題となっています。
アクプランタは2023年より、駐日ウガンダ大使館の紹介でNAROと共同し、トマトやトウモロコシ、ブロッコリーなどの栽培に同社の「スキーポン」を用いた実証実験を行ってきました。
スキーポンは、酢酸（酢の主成分）の作用を利用して植物の乾燥・高温耐性を高める資材で、節水や品質維持にも寄与します。
こうした取り組みは国際的にも評価され、JICAの「中小企業・SDGsビジネス支援事業」や経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創事業」に採択されています。
また、Robinah Nabbanja首相をはじめ政府関係者との協議も重ね、現地での事業化に向けた議論が進んでいます。
日本発バイオスタートアップの挑戦、世界14カ国で展開
アクプランタ株式会社は、理化学研究所出身の金鍾明氏が2018年に創業したアグリバイオスタートアップです。
同社は、金氏が2017年に学術誌『Nature Plants』に発表した研究成果を基に、植物の乾燥・高温耐性を高める酢酸の作用を応用した技術を実用化しました。
現在、米国やウガンダを含む14カ国で実証実験を進めており、気候変動や減農薬・減化学肥料ニーズに応える新たな農業資材として注目を集めています。
国内でもJAふじ伊豆や各地の農業試験場、農家、企業と連携し、持続可能な農業の実現に貢献しています。
アクプランタは、アグリテックグランプリ最優秀賞や日経賞など数多くの受賞歴を持ち、科学的知見に基づいたイノベーションで、世界の農業課題の解決を目指しています。
- 記事提供元：アクプランタ、ウガンダ国立農業研究機構と包括的協力覚書(MoU)を締結｜PR TIMES
