三菱電機株式会社は、アフリカ南部における空調およびIT Cooling事業の体制強化を目的として、南アフリカ共和国ケープタウンを拠点とする空調・IT Cooling機器販売・サービス会社Intramech Pty Ltd.へ出資すると発表しました。
本出資は、同社の100%子会社であるMitsubishi Electric Hydronics & IT Cooling Systems S.p.A.(MEHITS)を通じて実施されます。
今後、両社の連携を一層深め、アプライド空調およびIT Cooling事業におけるワンストップサービス体制を強化し、アフリカ南部でのデータセンター市場の需要獲得を目指します。

画像引用元:Intramech Pty Ltd 公式ウェブサイト
データセンター需要の高まりに応じた戦略的出資
近年、IoTやクラウド技術の発展を背景に、世界各地でデータセンターの建設が急速に進んでいます。アフリカ地域でもこの流れは顕著で、今後も市場の拡大が見込まれています。
特に南アフリカはインフラ整備とデジタル化が進展しており、IT Cooling機器の需要が急増しています。
データセンター事業者の間では、空調機器の据付工事に加え、運用や保守までを包括的に提供する「ワンストップサービス」へのニーズが高まっています。
こうした背景のもと、三菱電機は現地の販売・サービス・エンジニアリングに強みを持つIntramech社に出資し、グループ全体での事業連携を深化させます。
Intramech社は、保守サービス、機器エンジニアリング、システム構築などに豊富な経験を有し、すでに大手データセンター事業者との取引実績を積み重ねています。
三菱電機は同社の技術力を活用することで、設計支援から販売、据付、運用・保守まで一体化したソリューションを提供し、成長著しいデータセンター市場での競争力を高める方針です。
MEHITSの中核的役割とグローバル展開
出資を通じた連携の中心となるのが、三菱電機の100%子会社であるMEHITSです。MEHITSは、2016年に三菱電機がイタリアの業務用空調大手DeLclima社を買収して設立されたグループの中核企業であり、欧州を中心にアプライド空調およびIT Cooling機器の設計・製造・販売を手掛けています。
同社はイタリア、フランス、インド、ベトナム、中国に開発・生産拠点を持ち、現在、世界140カ国以上で事業を展開しています。
MEHITSは、機器の提供に加えて導入時の工事、運用・保守までを包括的に支援する体制を構築しており、顧客の多様な要求仕様に応じた産業用・大型空調設備のカスタム設計にも対応しています。
今回の出資により、MEHITSはアフリカ市場における事業基盤を一層強化し、欧州・アジアに続く新たな成長拠点として南アフリカを位置づける狙いです。
三菱電機グループとしても、アフリカ地域における空調・冷熱システム事業の拡大を戦略的に進めていく方針を明確に示しています。
サステナビリティと循環型デジタル・エンジニアリングの推進
三菱電機グループは、持続可能な社会の実現を目指す「トレード・オン」の考え方のもと、社会的価値と事業成長の両立を進めています。
今回のアフリカ南部での取り組みもその一環であり、現地のデータセンターインフラ整備を支えることで、地域経済の発展と環境負荷の低減を両立する狙いがあります。
同社はデジタル基盤「Serendie®」を活用し、顧客やパートナーから得られたデータを分析することで、新たな価値創出を目指す「循環型デジタル・エンジニアリング」を推進しています。
これにより、空調機器の運用効率を高め、持続的なエネルギーマネジメントを実現することが期待されています。
1921年の創業以来、三菱電機は社会システム、エネルギーシステム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、半導体・デバイスなど多岐にわたる分野で事業を展開し、2024年度の連結売上高は5兆5,217億円を記録しました。
今回の出資を通じて、アフリカ地域でもその技術力と信頼性を活かし、サステナブルな成長に貢献していく構えです。
- 記事提供元:南アフリカの 空調・IT Cooling機器の販売・サービス会社へ出資|三菱電機 ニュースリリース














