アフリカに特化した日本のベンチャーキャピタルである株式会社Double Feather Partners(DFP)は、アンゴラの都市型モビリティ・フィンテック企業Andaのシードラウンドにおいて、総額300万ユーロ(約5億3,600万円/約350万ドル)を共同出資したと発表しました。
Andaは、金融包摂と持続可能な都市交通の実現を掲げ、ドライバーの車両所有支援や職業訓練を通じて、アンゴラにおけるモビリティ産業の制度化を進めています。
今回の出資により、電動モビリティ導入やフィンテック技術強化、雇用創出のさらなる加速が期待されています。
モビリティとフィンテックの融合で都市交通を再構築
DFPは2025年11月4日、アンゴラ・ルアンダを拠点とする都市型モビリティ・フィンテック企業Andaへの出資を発表しました。
Andaは「利用者の利便性を起点とするモビリティプラットフォーム」として、革新性・包摂性・持続可能性を兼ね備えた新しい都市交通モデルを構築しています。
2輪車事業からスタートした同社は、現在では3輪(トゥクトゥク)や4輪車にもサービスを拡大しており、幅広い層が利用できる移動手段を提供しています。
すでに1,000名以上のドライバーが正式登録し、インフォーマルドライバーと比較して平均20%の所得向上を実現しています。
さらに、過去5か月間で累計300万回以上の乗車を達成し、急速に都市交通インフラの一角を担う存在となっています。
Andaは単なる配車サービスを超え、ドライバーの経済的自立を促す社会変革型ビジネスの構築を目指しています。
「Drive-to-Own」モデルで金融包摂と自立支援を推進
Andaの最大の特徴は、金融アクセスが限られるインフォーマルドライバーに車両所有の機会を提供する「Drive-to-Own(ドライブ・トゥ・オウン)」モデルにあります。分割払いによる車両購入を可能にすることで、ドライバーが自らの資産を形成し、安定した収入を得ることを支援しています。
また、アンゴラ国立雇用・職業訓練研究所(INEFOP)の認可を受けた職業訓練機関「Anda Academia」を通じて、資格講習や整備サポート、保険、事務手続き支援などを提供し、ドライバーのフォーマル化を包括的に支援しています。
このモデルは、モビリティ事業にフィンテックの仕組みを融合させることで、社会的包摂を推進する代表的な事例となっています。
さらにAndaは、乗客のピックアップやEVバッテリー交換サービスを提供する拠点「Safe Stops(セーフストップ)」のネットワーク拡大にも注力しており、アンゴラ国内および他のアフリカ市場への展開を進めています。
DFP、アフリカ新興市場への支援を加速
DFPは、国連開発計画(UNDP)が主催するスタートアップアクセラレーションプログラム「Meet the Tôshikas」を通じて2024年からAndaを支援してきました。
今回の出資ラウンドには、DFPのほか、欧州および米国の主要ベンチャーキャピタルであるBreegaやSpeedinvestも参画しています。
調達資金は、電動車(EV)の導入加速や自社開発のフィンテック技術への投資強化に活用される予定です。
AndaのCEOであるセルジオ・タティ氏は、「今回の資金調達はアンゴラの潜在力と、ポルトガル語圏アフリカ全体の可能性に対する信用の証です」と述べ、産業全体の制度化に向けた意欲を示しました。
一方、DFP代表取締役CEOの武藤康平氏は、「Andaは金融包摂と雇用創出を実現する社会的インパクトの高いモデルであり、アンゴラという新興市場で主要ベンチャーキャピタルが参画する初期ラウンドを実現できたことを誇りに思います」とコメントしています。
DFPは今後も、アフリカ各地のスタートアップ支援とエコシステムの強化を通じて、持続可能な事業成長と社会的価値創出の両立を目指していくとしています。
- 記事提供元:Double Feather Partners、アンゴラの都市型モビリティ・フィンテック企業Andaに出資|PR TIMES
















