テレビ東京の「世界ナゼそこに?日本人」の知られざる裏側〜ブルキナファソ在住者が語る真実〜

砂が舞うブルキナファソの路上風景
砂が舞うブルキナファソの路上風景

一般にアフリカの途上国で生活する日本人は、多くが企業や省庁・国際機関等のバックアップのある「赴任」であり、現地の人と同じコミュニティに溶け込む「移住」はほとんどいない。そんな中、鈴木さんはなんの資本もバックアップもない「アフリカの最貧国への移住」を20年も続けて、夫に先立たれた後も立派に4人の子供を育てている。

断水や停電は当たり前のアフリカの最貧国に嫁いで苦労する鈴木さん。「日本に帰ってもっとラクすればいいのに」と部外者としてはふとそう思うが、そんな選択肢はないらしい。

鈴木さんはこれからもブルキナファソで生活し続けていくのだろう。日本人女性が一人、赤茶けたブルキナファソの地で、何十年も生きて、老いて、死んでいく。そう思うと少し悲しくなった。ただ「統一教会なんかに入らなければアフリカに行って家庭を持つ必要なんかなかった」という指摘は事実だとしても、彼女の個人としての強い人生は誰にも否定はできないと思う。

鈴木さんは少なくとも僕なんかより何倍も辛い思いをしてきただろうし、何倍も努力を重ねて生きてきただろう。過酷な献金や霊感商法など、統一教会という団体に問題があるのはもちろん事実だが、彼女個人の強い人生には尊敬する。

最後に怒られるのを覚悟で気になる質問をしてみた。

―ところで、統一教会はブルキナファソで壺とか売ったりはしてるんですか?

「ええ(笑)?!売ってないですよ(笑)」

ブルキナファソでいわゆる「霊感商法」はないらしい。確かに、仮に高価な壺や美術品はわざわざ取り寄せてブルキナファソで売ったとしても、最貧国の国民にはそこまでの購買力がないわけだから、商売にならないだろう。確かに考えてみればいわゆる「霊感商法」もある程度市場経済が発達した購買力の高い国でなければきっと難しい。

なんだか期せずして、少し統一教会の信者を持ち上げたような内容の記事になってしまったけれど、「統一教会」とは無関係に、「アフリカに嫁いだ鈴木さんが人生の苦労を生き抜いた強さ」には敬意を持ちたい。それが今の僕の個人的な気持ちだ。

ブルキナファソの田舎の民家
ブルキナファソの田舎の民家

*本インタビューをはじめ、アフリカにおける統一教会の活動については近々発刊される書籍で発表される予定です。

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Cover Image Photo credit: Guillaume Colin & Pauline Penot via VisualHunt / CC BY-NC-ND

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