1)プロジェクトの資金がない!
しかし一筋縄ではいきません。
まずは何といってもお金がない!
人口8万6千人の郡全体でこの取り組みを始めるために、私たちは約90万円の予算が必要でした。
郡役所の財源だけで全てを賄うには限界がありました。
そこで同僚と私は地元企業にスポンサーになってもらうため、企業まわりをはじめました。
3ヶ月かけ約40社以上にレターを送り続けました。
特に重要な関係者である、ピュアウォーター(袋入りの飲料水、道端にポイ捨てされているゴミの多くはこの袋)生産会社とは会議を開き、プロジェクトについてじっくり説明をしました。
結果40社中5社から15,250セディ(約46万円)を支援してもらえることになりました。
2)人々のモチベーションを保てない!
資金集めをする間に小さなコミュニティでパイロットプロジェクトを開始しました。
住民説明会を開催し、みんなからも「いい取り組みだ」という声をいただいたにも関わらず、ゴミ拾いの人数はなかなか増えず。
ボックスにプラスチックを入れてくれる人も僅かでした。
そこで地元の自助グループと連携し活動に組み込んでもらう形で、プロジェクトを一緒に盛り上げてもらいました。
一軒一軒家庭訪問をしてプロジェクトの説明をすることも始めました。
今後郡全体でプロジェクトを進めるにあたって、住民のマネジメントは大きな課題です。
3)プロジェクトを理解してもらえない!?
いつものように同僚と企業まわりをしていた日のこと。
その日は暑い日で、同僚はピュアウォーター(袋入りの飲料水)を購入して飲み始めました。
飲み終わった次の瞬間、彼は私の目の前でポイッとその袋を地面に捨てました・・・
ええええええ!!!
今さっき、プラスチックによる環境汚染について、あれだけ熱く語っていたのに何がどうしてそうなるの??
びっくりしました、ほんとに。笑
それで思ったんです。この国には環境教育が足りていないのだと。
彼は悪気は全くなく、本当に無意識にポイッとしてしまった。
でもそれがこの問題の根深さを物語っています。
それからは、同僚と一緒に学校を訪問し、環境教育をするようになりました。
今後郡内の先生を集め、環境ワークショップを紹介したいと思っています。
今後の予定
まだ資金が足りていないため、しばらくファンドレイジングを続けます。
年内に大規模なイベントを開催するのが目標。
プロジェクトについてシャマ郡の人々に大々的に周知します。
それと同時に回収システム運用をスタート。
来年からは、村の無職の若者たちと共に、プラスチックを使った商品開発をしたり、郡内にリサイクル会社設立を検討している人へ情報提供などの支援をして、プラスチックを最大限お金に換え、職を作りだせるように努力していきます。
以上、1年間たくさん失敗しつつ手探りで進めてきました。
もっとできたのになと思うことばかりですが、焦らず着実に今後も進めていきたいと思います。
それではまた来週ー!
Akane Kobayashi
記事提供元:ガーナでの1年間の活動報告WWJ.world
リサイクルで得られる収入ですべてが回るようになればいいのですが、そのためにも製造者責任(ここではピュアウォーターの資金援助)もその一つにカウントしなくてはいけないのだなと理解しました。
プラスチックの分別回収を説いて回る目の前で同僚がポイ捨て…、残念ながら大人はそんなものなのでしょう。それでも子供だけではなく大人にも動機づけをしていかねばならない問題に胸が熱くなります。
同じような問題に取り組むボツワナからコメントでした。