9月1日はマダガスカルで金環日食の日でした。
日本でもニュースなどでご覧になった方もいらっしゃることでしょう。
金環日食とは
「日食」とは、月が太陽の前を横切るために、月によって太陽の一部(または全部)が隠される現象です。(中略)太陽のほうが月より大きく見えるために月のまわりから太陽がはみ出して見えるときには「金環日食(または金環食)」と呼ばれます。(国立天文台「日食とは」より)
今回はマダガスカルの北部が金環日食が観察できる地域でした。私の住む街アンチラベは中央部に位置するため、部分日食を観察しました。
マダガスカル人にとっての日食とは?
- 黙示録に記されている世界の終わりの兆候だと恐れる
- 願いをかけるチャンスだと考える(引用元:マダガスカルの主要新聞 Midi-Madagasikara 2016年9月1日付 筆者意訳)
- 太陽を男性、月を女性に象徴する文化から、その二つが重なり合うことは性的な意味を想定させるからタブーである(引用元:マダガスカルのニュースサイト News Mada 2016年8月26日付 筆者意訳)
などなど。
筆者の周りでも、保守的な人や農村に行くほど日食を「怖い」と考える人が多いようでした。私もこの日には農村で講習会を実施する予定だったのですが、担当の人から「農民が日食を怖がって集まらない」との連絡があり講習会は延期に。
都市部の人は楽しみにしていたり、そもそも興味がなかったりという雰囲気でした。
それでは、当日のマダガスカルの様子をどうぞ。
仕事がなくなる!?
前々日(8月30日)に政府から、”「安全に日食を観察するために」学校やオフィスは、日食が観察される1時間前から休みにする(筆者意訳)”という勧告がなされました。
私の職場(農業・畜産地方局)も当日出社すると「今日は10時までで仕事は終わりよ〜」と秘書さんが教えてくれました。前述した通りに農村での講習会もなくなり、急にその日は半休状態に。
日食メガネがお祭り騒ぎで売られる
1週間前くらいから、街中の薬局や保健センター、ガソリンスタンドなどで日食観察用のサングラスが売られていました。1つ1500アリアリ(=約50円。軽いお昼ご飯1回分)。直接太陽を見ないようにという啓発ポスターも街中で貼られていました。
前日・当日朝には屋台を出して売る人たちも。音楽を大音量でかき鳴らし、お祭り気分を盛り上げます。1人で10個以上のメガネを買っていくお客さんも!
日食の時間にはメガネをかけて観察
実際に日食が行われたのは11:40 – 14:40 の3時間程度。当日はあいにくの曇り空だったのですが、雲の隙間からチラチラと見える太陽の移り変わりを観察しようと、外にいる多くの人がメガネをかけて空を覗いていました。
一方で、仕事や学校は休みになっていたため街中はひっそりとしており、太陽が隠れるにつれて気温がぐっと下がり、薄暗い時間が続いたため、平日日中とは思えない雰囲気でした。始まる前のお祭り気分とは打って変わり、どこか厳かな状態でもありました。
以上、マダガスカルの日食体験レポートでした!