展覧会の見どころをご紹介!

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「アフリカ現代美術コレクションのすべて」展は、マネキンや床屋の看板から始まります。展示室入口には大柄な女性のマネキン。があり、展示室に入ると色々な種類の角刈りを絵に描いた床屋の看板か展示されていまず。すべて1995年に現地(ガーナとマリ)で集められたもので、いわゆる「現代アート作品」ではありませんが、その造形は印象的で親しみも感じられます。

そもそも、どのようなアートもその土地や人々の暮らしから養分をもらって生まれてくるものです。アフリカの街角で実際に使われていたアイテムを見ると、そうした日常に蓄えられた養分を体感できます。90年代のアフリカ調査時、学芸員が各地の都市で撮った写真も展示しています。

大御所作家たちの、「始まりのパワー」を体感できる作品群!

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写真:エル・アナツイ《あてどなき宿命の旅路》1995年 (c)EL ANATSUI 撮影:上野則宏

世田谷美術館が持っているのはほぼすべて90年代の作品です。アフリカの作家たちが世界的に注目され始めた時期であり、いまや大御所となった彼らの多くが、ようやく自分の道を見つけ始めた頃でもあります。「始まりのパワー」が全開の作品群といえるでしょう。素材はさまざまですが、廃品や流木など、身近に手に入るものを再利用している場合が少なくありません。荒々しい一方で不思議な繊細さもあり、見飽きることのない魅力があります。

アフリカの現代作家として最も有名なひとりに、ガーナ出身でナイジェリアを拠点とするエル・アナツイがいます。2000年代以降は、空き瓶のふたなどをつなぎあわせて伝統布ケンテクロスを思わせる華麗な大作を生み出し、世界的に注目されています。世田谷美術館が収蔵しているのは、使い古しの木の臼を使って、薪拾いをする女性や子どもの群像に見立てた《あてどなき宿命の旅路》(1995)。 90年代のアナツイの傑作です。

鉄でできたダイナミックな人物彫刻《私の世界 あなたの世界》は、ナイジェリア出身でロンドンが拠点の女性作家、ソカリ・ダグラス・キャンプの作品です。収蔵庫では木枠に入れられて肩身が狭そうに見えるのに、展示室に運んで木枠を外したら、急に生き生きとした表情になりました。故郷ナイ ジェリアの環境汚染への憤りと悲しみを込めた作品ながら、困難を乗り越えるための力強さも、作品には満ち満ちています。

音楽と深いかかわりのある作家や作品にも注目!

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会場風景:ソカリ・ダグラス・キャンプ《私の世界 あなたの世界》(手前の人物3体)、アナパ《ルバ・フィーリング》(奥の平面作品)

ミュージシャンでもあった彫刻家、レゲエのヒット曲にインスパイアされた絵画にも注目です。例えば、ガーナの美術界の第一世代にあたる彫刻家・画家だったサカ・アクエ、は優れたパーカッショニストであり、アレンジャーでもありました。その彼がアメリカ留学中の1950年代末にニューヨークで録音したアルバム『アフリカの声』から1曲、「アクドンノ」を展示室で流しています。ガーナの民謡をモダンにアレンジしたものです。1950年代はアフリカ各地でポピュラー音楽が花開いた時期でもあります。

1990年代のコートジボワールで大人気だったレゲエ歌手、タンガラ・スピード・ゴダのヒット曲「ルバ・フィーリング(Loubard Feeling)」にインスパイアされた絵画《ルバ・フィーリング》もあります。キャンバスには都市にたたずむ若者がひとり。作者のアナパは、自身もストリートカルチャーのなかで育ったアーティストです。 キャンバスを枠に張らず、街角のグラフィティのように見せることにこだわりがありました。

出品作家(姓のアルファベット順)

サカ・アクエ(Saka Acquaye, 1927-2007)
アナパ(Anapa, 1962-)
ソカリ・ダグラス・キャンプ(Sokari Douglas Camp, 1958-)
ムスタファ・ディメ(Moustapha Dimé, 1952-1998)
エル・アナツイ(El Anatsui, 1944-)
アブラデ・グローヴァー(Ablade Glover, 1934-)
アブドゥライ・コナテ(Abdoulaye Konaté, 1953-)
イッサ・サンブ(Issa Samb, 1945-2017)
パスカル・マルチーヌ・タユ(Pascale Marthine Tayou, 1966-)

ミュージアム コレクションⅢ アフリカ現代美術コレクションのすべて

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1995年の「インサイド・ストーリー:同時代のアフリカ美術」展開催を機に収蔵した、西アフリカ、中部アフリカの現代作家たちのユニークな作品をご紹介します。トークやワークショップなど関連企画も盛りだくさんです。詳細はチラシやホームページをご覧ください。

【会期】2018年11月3日(土・祝)~2019年4月7日(日)10:00~18:00(入場は17:30まで)
【会場】世田谷美術館 2階展示室
【観覧料】個人:一般 200円/65歳以上 100円/大高生 150円/中小生 100円、団体:一般 160円/65歳以上 80円/大高生 120円/中小生 80円、小・中学生:土曜、日曜、祝・休日は無料
【休館日】毎週月曜日(ただし12月24日(月・振替休日)、1月14日(月・祝)、2月11日(月・祝)は開館、12月25日(火)、1月15日(火)、2月12日(火)は休館)、12月29日(土)―1月3日(木)
【詳細】イベントページ

100円ワークショップ「アフリカン・バザール」

展覧会毎に、様々な趣向を凝らした内容で、子どもから大人までその場で楽しめる簡単な工作などを行う100円ワークショップです。カラフルなアフリカの布やビーズ、ボタン、貝など、様々な材料を板にコラージュしてブローチまたはマグネットを作ります。

【日時】2018年11月17日~2019年1月26日の毎土曜日(2018年12月29日を除く)13:00~15:00
【会場】地下創作室
【対象】どなたでも(小さなお子様は保護者の方がお付き添いください)
【参加費】1回100円
【申込方法】時間中随時受付(ボランティアスタッフがご案内いたします)
【詳細】イベントページ


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