世田谷美術館は、「アフリカ現代美術コレクションのすべて」展を2018年11月3日(土・祝)〜2019年4月7日(日) で開催しています。同館では早くからアフリカに注目してきました。1995年の「インサイド・ストーリー:同時代のアフリカ美術」展開催を機に収蔵した、西アフリカ、中部アフリカの現代作家たちのユニークな作品をご紹介します。またトークやワークショップなど関連企画も盛りだくさんです。
急速に関心が高まるアフリカ現代美術!
1960年前後に相次いで独立して以来、さまざまな困難に直面しながらも、近年はめざましい経済発展を遂げているアフリカ諸国ですが、美術に目を向けると、複雑で多様な歴史的・文化的背景をそれぞれに折り込みながら、精力的に作品を制作するアフリカ出身のアーティストが数多く登場しています。彼らの作品は1990年頃から欧米で注目され、2000年代以降はわが国でも急速に関心が高まっています。
世田谷美術館は、「アフリカ現代美術コレクションのすべて」展を2018年11月3日より開催しています。アフリカ現代美術のコレクションは国内随一である世田谷美術館が、それら全てを16年ぶりにまとめてご紹介する展示です。
なぜ世田谷美術館はアフリカに注目したのか!?
「変化球」が勝負の美術館とも言われる世田谷美術館は、早くからアフリカに注目してきました。1986年の開館記念展「芸術と素朴」では、「芸術」と言われて多くの人が思い浮かべるような欧米の美術の“周辺”に面白いものがある、という視点から、アフリカやオセアニアな どのパワフルな仮面なども積極的に紹介していました。当時はワールドミュージック全盛期でもありました。80年代末から90年代にかけて、ドゥドゥ・ニジャエ・ローズどアフリカの名だたるミュージシャンライヴなども、世田谷美術館ではしばしば開催されていたのです。
そうした時代の空気のなか、開館記念展でアフリカの仮面の調査を担当した 学芸員が、199年にアフリカの現代美術作家を現地で調査することになります。インターネット以前の時代、たいへんな苦労を重ねつつ作家を探して訪ね歩き、気づけばアフリカのパワーと懐の広さに魅了されていました。
そしてこの頃、世界的にもアフリカの現代作家への関心は急速に高まっていました。アフリカ出身作家の作品の面白さを広く知ってもらうべく、1995年には日本初の本格的なアフリカの現代美術展「インサイド・ストーリー:同時代のアフリカ美術」を世田谷美術館で開催しました。全国6館の美術館を回った後に、出品作品の一部が世田谷美術館のコレクションとなりました。
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