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東アフリカの経済大国ケニアで、寿司ビジネスを展開する1人の日本人起業家がいます。日本食を通じて食べる楽しみを伝えたい、良質な食を提供することで漁師も消費者も幸せにしたい、そんな熱い志を持つ薬師川恭平さんは、ケニアで”KAI Limited”を設立し、寿司ビジネスを展開している注目の若手起業家です。設立からこれまでの取り組みの軌跡をご紹介します。

なぜ今寿司ビジネスなのか!?ケニアの健康トレンドを日本食で掴む!

東アフリカのケニアにおいて、料理はまだまだ塩と胡椒の単調な味付けが中心です。特にウガリやチャパティ、ニャマチョマなどのローカル料理は油も多く使用します。一方で、ケニアでは中間層が増加しておりファーストフードを食べる習慣根付きつつあります。ケンタッキーやピザハットなどの外資系ファースドフードチェーンから、エチオピア料理・ソマリア料理・中華料理など外国料理店も増えてきました。

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そんな中、日本食はまだまだ認知度が低いのが現状です。その状況に目をつけたのが、ケニアで寿司ビジネスを展開しているKAI Limitedの薬師川恭平さんです。薬師川さんは、かつて首都ナイロビで自身で日本食レストランを経営していました。「日本食レストランにやってくるには既に日本食の良さを知っている富裕層が多い」とレストラン経営を通じて学んだ薬師川さんは、日本食の良さをもっと多くの知ってほしいと感じ、レストラン経営を共同経営者に譲り、寿司ビジネスを始めました。

近年、ケニアでは健康ブームが到来しています。健康に対する意識が変わってきており、特に都会においてはスリムな人の方が憧れとなってきています。この流れに目を付け、健康食である寿司をスーパーマーケットと提携して、多くの人に届ける仕組みを作りました。揚げた魚は食べど生食文化はまだ根付いていないケニアでも、確かな手応えをつかんでいます。

有力パートナーと提携!ケニアで寿司ビジネスが急拡大するワケ。

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2015年12月設立のKAI Limitedは、東アフリカで初となるテイクアウェイ寿司を展開しているスタートアップ企業です。2016年1月には、ケニアの中間層・富裕層や駐在外国人などに人気のインド系スーパーマーケット”チャンダラーナ”とパートナー連携することで、急速にビジネスを拡大させました。スーパー内にキッチン・ブースを構えるスタイルを確立し、お惣菜コーナーで作りたてを提供しています。

現在はナイロビ市内のチャンダラーナの4店舗に、キッチンブースを構えています。寿司職人6人が各店舗に派遣されています。韓国レストランなどで日本食や寿司作りを学んだ仲間を集め、さらに技術トレーニングを実施することで良質な寿司をケニアで提供しています。その他、ケータリングも行っています。

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そして提携スーパーのチャンダラーナが、現在建設中の東アフリカ最大となるショッピングモール “TWO RIVERS”に新店舗を構えることに伴って、KAI Limitedもこの店舗内へのキッチン・ブース出展を行うなど、設立から1年経たずに既に5つの拠点を持つまでに急拡大しています。

食べる楽しみを伝えたい!みんなが幸せになれる鮮魚流通の仕組みを目指す!

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薬師川さんが次に狙うのは、鮮魚流通ビジネスです。KAI Limitedの理念の1つに「良質な食を通した社会貢献」があります。これはとケニア沿岸部の漁師とともに、魚処理や保存に一手間加え鮮度を向上させることで付加価値の創出を目指すものです。消費者を満足させることにより販売価格を上げ、 漁師利益が増えることで彼ら生活環境向上に貢献する良い循環を生み出すことを目標としています。

薬師川さんは、毎月ケニアの最大漁港を持つ都市モンバサに通っています。ケニアにはまだ鮮魚のニーズが小さいため、流通が確立していません。ナイロビ市内に魚屋は数店舗ありますが、鮮魚としての品質は低いのが現状です。より鮮度の高い魚をナイロビに輸送する仕組みを作ることで、ケニアの日本食レストランの品質の底上げが可能になります。

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「これまでのケニアの調理方法焼く・揚げる、調味料は塩・こしょうが主であるケニア食文化に、より健康にも良い生食・魚食を普及することで、食における新たな価値を創造し、食べる楽しみを作っていきたい」と薬師川さんは熱く語ります。彼の挑戦はまだ始まったばかりです。ケニアを駆ける若手起業家に熱い視線が注がれています。

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凡
アフリカと日本を繋ぐコーディネーター(海外進出支援コンサルタント/Africa Quest.com編集長)として活動。87世代のうどん県民。証券会社を経て、青年海外協力隊としてケニアに渡航。ケニアに雇用を生み出すべく、仲間と共にソーシャルベンチャーを設立し、2年間運営に携わる。その他、国際アドボカシー団体FAVLIC設立会長、任意NPO SignPost共同代表を務める。