「成人」になることって?南アフリカ、コサ族の「成人の儀式」完全リポート!

南アフリカ コサ族の文化に欠かせない「ンコンボチ

儀式に欠かせないものといえば、ンコンボチ。
先祖を呼び、人を繋ぐ、コサ族の儀式には欠かせないお酒。
とうもろこしからでていて、7日間発酵とプロセスを重ねて作る伝統的なお酒。

さすがは成人の儀式。そのスケールの大きさはンコンボチの量から感じられる。
銀色のバケツに汲まれ、人の輪の中へ回されていく。

夜、皆が寝静まった後、静寂の中で「ピチピチピチピチ・・・・・」とンコンボチから声が聞こえてくる。
充分に発酵したンコンボチから炭酸ガスが出ているのだけど、それはンコンボチが何か話しをしているかのようにも感じられる。アフリカの儀式にはそんな不思議な雰囲気が漂う。

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こちらが充分に発酵し、翌日の儀式に備えられたンコンボチ。
泡が次から次にブクブクと出てくる。

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儀式は順調に行われる。
オドワは男だちだけが入ることを許されている家畜小屋の中に入ったままだ。
あちらこちらで歌やダンスで盛り上がる人たちの輪が見られる。

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アルミのジョッキに入れられたンコンボチは輪の中でに回され、ほろ酔いのママたちが楽しくうたい踊る。

 

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その頃、儀式が行われている中心の場所にオドワが来た。

彼が座ると、タンスやベッド、毛布などの贈り物が目の前に並ぶ。

 

歌い、踊りながらグループになった人たちが入ってくる。

「来客」と呼ばれる彼らは我が家と親密なかかわりをしている親族だ。

贈り物をしたら、年配の人たちがオドワの前に立ち説教をしていく。

 

オドワは毛布をかぶり、下を向いたままで何も答えない。

話してはいけないのだ。家の中に入ってもいけない。目を合わせてもいけない。成人する男にはたくさんの取り決まりがある。

 

コサ族に伝わる「割礼」

アフリカには割礼という習慣がある。

割礼は十代後半頃に行われるのが一般的だ。昔は山の中で弓矢の先で行っていたそうだが、最近は衛生上病院で手術されることがほとんどらしい。

 

割礼を迎える男子は森の中に1ヶ月ほど入り、そこで裸にブランケットを纏い生活する。

体には白い土を塗り、杖を持ち、森の中で一ヶ月間生き抜くのだ。

大抵同い年くらいの男子が集まり行われるこの通過儀礼は、今もとても重要な意味を持つ。

 

日本人に「男の子」と言っても「男」と言ってもそんなに違いは感じないだろうけど、アフリカ人にとってはとっても大きな違いがある。

成人した男は一人前扱いされ、使い言葉も特別な言葉が使われ、着るものも違う。

それまできていた青年時代の洋服は自分より歳の下の人たちにあげ、新しく成人した洋服を着るのだそう。

 

とにかく男性社会の中で「男」として成人しているかどうかは大きな意味を持つ。

 

お酒が飲めるとか、タバコが吸える、とかそんなことはどうでもいいことで、発言権があること、勇敢であること、忍耐強いこと、男としての礼儀を持つことが重要なのだ。

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