突然だが、ガーナに来てから嫌いになった言葉がある。
それが「モチベーション」である。
モチベーションとは、人が行動を起こすときの原因、すなわち動機を意味する。(コトバンクより)
ということであるが、ガーナにおいてこの定義はさらに限定される。
結論から言うと、ガーナにおいてモチベーションとはお金、もしくはジュースやお菓子、石鹸のことなのである。
ゴミ拾い活動を提案した時のエピソード
一時期、ご近所さんで発足した組合の活動として、ゴミ拾いを提案したことがある。
月に一回、朝早くに集まってゴミを拾おうという、単純かつ明快な活動であった。
その中で集めたプラスチックを回収して、リサイクル会社に販売、お金になった分は組織に還元するという話もした。
資金繰りに困っていた組織なので、必ずやそれがモチベーションになると私は信じていた。
しかし、案の定人が集まらない。
困った私は、組合のリーダーと重役を集め会議を開いた。
リーダーは重々しく口を開く。
「それはみんなにモチベーションを用意できていないからだ」
ほうほう、大変興味深い意見だ。これはなかなか良いミーティングになるに違いない。
んでどうすればいいと思うの?
「簡単だよ。君が職場から予算もらって、そのお金で参加者にジュースを配ればいいんだ」
まじか、、、
私は絶望しながら
「ただでさえ、うちの職場お金ないのにそんな簡単に予算取れないよ」
と最後の足掻きをすると
「じゃあ君が個人的に出費すればいいじゃないか」
もうそこから、私が彼らと議論をする“モチベーション”が綺麗さっぱりなくなってしまった。
とある群内での学校でのエピソード
また別の場面。プロジェクトの一環で郡内の学校をまわった日があった。
私の職場、郡役所のドライバーにあちこち行ってもらい、同僚と共に生徒へ環境教育を行った。
帰ってきてから、同僚が言う。
「あのドライバーにモチベーションとしてお金をあげなきゃ」
私は「なんでー?彼は郡役所から給料もらっているんでしょ?いらないよー!」と言ったが
「でもそれがガーナの文化なんだ」
なんじゃそりゃー!どうりで、仕事を頼んでもなかなかドライバーが動いてくれないと思った訳だ。
次ページ>> なかなか根深い、ガーナのモチベーション問題
1 2