ボコ・ハラムの影響を受ける子どもへ!ユニセフ、カメルーンなどでラジオ教育プログラムを開始!

ユニセフ(国連児童基金)は、西アフリカのナイジェリア北部やチャド湖畔の国々において、ボコ・ハラムとの紛争による暴力の影響で家を追われて避難生活を送っている子どもたちに対する支援の一環として、ラジオを使った新しい教育プログラムの提供を開始しました。ラジオ教育プログラムは、カメルーンの極北州とニジェールのディファ州で学校へ通うことができない20万人の子どもたちに、教育の代替プラットフォームとして提供されています。

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授業を受ける子どもたち(ニジェール) © UNICEF Niger_2016_Tremeau

ナイジェリア北部を拠点とする組織「ボコ・ハラム」とは。

2002年にナイジェリア北部のボルノ州マイドゥグリで誕生したボコ・ハラム(Boko Haram)は、ナイジェリアの北部とその周辺国を中心に活動しているイスラーム原理主義組織です。Boko は主にナイジェリア北部からニジェール南部にかけて用いられるハウサ語で「西洋式の教育」を意味し、Haram とはアラビア語で「罪」を意味し、ボコ・ハラムは「西洋の教育は罪」という意味となっています。

組織の創設者であり初代指導者だったモハメド・ユスフ氏がナイジェリア警察に殺されるなど大規模な紛争が勃発した2009年以降、ボコ・ハラムは活動を活発化させ、ナイジェリアだけで1万5000人以上を殺害したと言われています。またボコ・ハラムは、西洋式の教育を禁止しようと、教員や学校も攻撃の対象にしてきました。

ユニセフ、ラジオ教育プログラムを開始!

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難民キャンプで学校に通う子ども (チャド) © UNICEF Chad_2017_Bahaji

ユニセフは紛争の影響を受ける子どもたちのために、欧州連合(EU)が支援する「緊急時下での教育支援(Education in Emergencies)」イニシアティブを通じて、カメルーン政府とニジェール政府と協力してラジオ教育プログラムを開発しました。読み書き、算数、命を守る、また子どもの保護に関するメッセージを込めた144のエピソードにより構成された教育プログラムを、フランス語とカヌウリ語、フルフルデ語、ハウサ語など各地域部族の言語で放送しています。

また、ラジオ放送を後押しすべく、おとなたちが子どもたちにラジオを聞かせ、また聴講の手助けを出来るように働きかけるコミュニティでの啓蒙活動も行われます。ユニセフと各国政府は、放送の効果を最大限にするために、地域でラジオを聞く人々の協力を仰いでいます。このラジオ教育プログラムは、まだ人道支援が届かない地域やその他の理由で学校に通えない子どもたちにも教育を届ける可能性を秘めています。

同イニシアチブは、学校の破壊や攻撃を受ける恐れがあるため閉鎖されている地域に対して同様の教育プログラムの提供を拡大させています。ラジオ教育プログラムのほかにも、ニジェール、チャド、カメルーン、ナイジェリアの紛争の影響を受ける地域に暮らす子どもたちのニーズに合わせ、15万9,000人の子どもたちに対して、子どもの保護サービスや危険情報に関する学習プログラムなど広範囲にわたる支援を提供していく予定です。

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