世界環境デーである6月5日、ユニセフ(国連児童基金)は新たな報告書「静かに窒息するアフリカ」を発表しました。同報告書は、アフリカで地上の大気汚染を信頼可能なレベルで測定できている地域に暮らす子どもは6%にすぎず、5億人の子どもたちは大気の状態を正しく測る手段がない地域に暮らしていると述べています。

アフリカで求められる大気汚染の測定!

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写真:煙に包まれるナイジェリア・ラゴスの集落。© UNICEF_UN037206_Bindra

微小粒子状物質(PM2.5)のような粒子が小さい大気汚染物質は、赤ちゃんや幼い子どもの脳細胞や肺に生涯にわたる損傷を与える可能性があるために、彼らの健康と発達にとって極めて有害です。

PM2.5は、とても小さく血中に侵入し、脳まで移動し、脳血管を損傷し、神経炎症を引き起こすことがあります。他にも、多環芳香族炭化水素などの汚染物質は、子どもの学習と発達の基礎となる、神経の伝達に重要な脳の部分に損傷をきたすことがあります。

大気汚染が測定されている地域に暮らす子どもは、ヨーロッパと北米では72%、アジアでは43%、南米では25%ですが、アフリカではたった6%に過ぎません。

ユニセフは、アフリカで、世界の他の地域のように大気汚染が測定されていないことは、影響の深刻さの過小評価だけでなく、その規模の大きさの過小評価に繋がりかねないと警鐘を鳴らしています。

大気汚染の死亡数は増加傾向!

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写真:口を押さえて線路の側に立つケニアの男の子。 © UNICEF_UNI45635_Kamber

ユニセフ(国連児童基金)が2019年6月5日発表した報告書「静かに窒息するアフリカ (Silent suffocation in Africa: Air pollution is a growing menace, affecting the poorest children hardest)」によると、アフリカでは大気汚染の問題が深刻化しています。

大気汚染は、人々の生活や健康、また農作物の生産に欠かせないエコシステムに影響を与えます。報告書が引用する最新の研究では、アフリカ全土における大気汚染を原因とした早すぎる死がもたらす経済的損失を2,150億米ドルと推定しています。

アフリカで大気汚染が原因で死亡した人の数は、1990年の16万4,000人から2017年の25万8,000人と、この約30年で57%も増加しました。大気汚染を信頼できる精度で測定できる測定地点がないために、アフリカの子どもたちが知らないうちに健康や脳の発達に有害な空気を吸っている危険が高まっており、また効果的な対策を図る可能性も妨げられています。

ユニセフ、各国政府に改善を求める!

ユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは 「大気汚染は、子どもたちに対する静かな殺人です。そして特にアフリカでは、この問題が深刻なことが分かっています。ただ、どれだけ深刻かがわからないのです。子どもたちの汚染物質への露出を減少させ、彼らの健康と幼年期の脳の発達への損傷を軽減するには、まず、彼らが吸っている空気の質に関する信頼性の高い理解から始まります」と述べています。

問題の全体像を把握するために、ユニセフは各国政府に対して、恒久的かつ質の高い大気汚染測定地点を公益に資するものとして設置するよう強く求めています。

それらの測定地点と衛生画像とを組み合わせて監視システムの基盤をつくることで、各地に点在する精密度が劣る測定地点の信頼度を高めることが可能となります。報告書では、規格内監視モニターから低価格のセンサーまで、いくつかの種類の監視システムも紹介されています。

またユニセフは、再生可能エネルギーへの投資、都市部における緑地の増加、化学物質の野焼きを予防するためゴミ管理体制を改善など大気汚染を軽減するいくつかの方法を提示し、各国政府に対応も求めています。

なお報告書「静かに窒息するアフリカ」はこちらからダウンロードできます。


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