ユニセフ(国連児童基金)は、最新のデータによると、基本的な手洗い設備が自宅にあるのは、世界で5人のうち3人に限られていると2020年3月16日に発表しました。石けんを使って正しく手洗いをすれば、新型コロナウイルス(Covid-19)との闘いに効果的であるにも関わらず、何百万人もの人々が、手を洗う設備をすぐに利用できない状況にあります。
30億人が家で手洗いできず!
写真:小学校の水道で手を洗うマダガスカルの子どもたち。(2020年2月17日撮影) © UNICEF_UNI302788_Ralaivita
パンデミックの拡大が続く中、ユニセフは、新型コロナウイルスの主要な予防策として手洗いの重要性を強調し、この最も基本的な公衆衛生策が世界中で実現できるよう、支援をさらに強化しています。
しかし、世界の多くの地域では、子どもや保護者、教師、医療従事者、その他コミュニティの人々は、自宅、医療施設、学校などで基本的な手洗い設備を利用できません。
最新の推定によると、世界人口の40%にあたる約30億人が、石けんと水で手を洗う設備が自宅にありません。特に開発途上国の4分の3近くの人々は、基本的な手洗い設備が自宅にありません。
また47%の学校には石けんと水で手を洗う設備がなく、9億人の学齢期の子どもたちに影響を及ぼしています。世界の学校の3分の1以上、および開発途上国の学校の半分には、子どもが手を洗う場所がまったくありません。
医療施設の16%、あるいは6分の1には、患者が治療を受ける場所にまともなトイレや手洗い設備がないのが現状です。
都市部での手洗い設備が欠如!
写真:友達と一緒に石けんで手を洗うルワンダの3歳の女の子。(2019年9月撮影) © UNICEF_UNI211047_Rudakubana
都市で暮らす人々は、人口密度の高さに加え、市場や公共交通機関、礼拝所など人の密集した場所に集う機会が多いため、特にウイルス性呼吸器感染症のリスクに晒されています。
都市部で貧困層が密集して暮らすスラムは、非公式居住区の最悪の形態であり、特にリスクが高くなっています。結果として、手洗いがさらに重要になります。
しかしサハラ以南のアフリカでは、都市部の63%に当たる約2億5,800万人が手洗い設備を利用できません。例えば、南アフリカの都市部の約47%の1,800万人の人々は、基本的な手洗い設備が自宅になく、都市居住者の最富裕層は手洗い設備の利用率が約12倍に上がります。
ユニセフ、手洗いの重要性を普及!
写真:石けんで手を洗うベトナムの少数民族の子どもたち。(2014年10月撮影) © UNICEF_UNI310757_Viet Hung
子どもと保護者が適切な手洗い設備を利用できるように、ユニセフは世界で取り組んでいます。コロナウイルスは国の医療体制にも打撃を与えるなかで、石鹸での手洗いは医療従事者を感染から守り、医療施設での新型コロナウイルス及び一般的な呼吸器や下痢性疾患を防ぐ上でも重要です。
ユニセフは90カ国以上で手洗いを推進しており、政府と協力して手洗いの方針、戦略や行動計画を策定しています。また、マス・メディア、地域の保健員や普及員と協力して手洗いを促進すること、学校や教師と協力して子どもたちに手洗いの重要性を教えることなど、各国での手洗いキャンペーンを支援しています。
- 記事提供元:新型肺炎:30億人が家で手洗いできず~世界の4割、ユニセフが警告|PR TIMES