国連が定めた3月22日の「世界水の日」を前に、ウォーターエイドは2020年3月19日、報告書「気候変動の最前線 2020年 世界の水の現状」を公表しました。気候変動が世界で最も貧困に苦しむ国の人々が清潔な水を使うことをいかに困難にしているかについて調査し、マリ、エチオピア、タンザニア、ニジェールなど7カ国の実情を紹介しています。

改善が進む国、進まない国!

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写真:ひび割れた土地の上を歩き、水くみに向かうバングラデシュの女性(WaterAid/Abir Abdullah)

報告書「気候変動の最前線 2020年 世界の水の現状」によると、1年のうち1カ月以上、十分な水を手に入れることが困難な人の数は、2050年までに50億人に膨れ上がると見られています。これは世界人口の50%以上に相当します。

2000年から2017年の間に18億人の人々が少なくとも基本的な水アクセスを獲得しました。また、地表水を飲まざるをえない人の数は2億5,600万人から1億4,400万人にまで減少しています。アフガニスタン、モザンビーク、ラオスが最も改善が進んだ国として紹介されています。

一方で改善が遅れるている国として、チャド、南スーダン、エチオピア、コンゴ民主、ブルキナファソ、ウガンダ、ニジェール、ソマリア、マダガスカルとその大半がサハラ以南アフリカの国々が挙げられており、50~60%のヒトが基本的な水にアクセスできない現状にあります。

気候変動の影響を低減を目指すマリの女性グループ!

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写真:気候変動の影響を低減するため、水管理技術の研修や農作物の栽培に取り組むマリの女性グループの代表(WaterAid/Basile Ouedraogo)

西アフリカに位置するマリ共和国は、適応力指数で脆弱性が世界第9位とされています。中南部の半乾燥地域にあるセグー州のカクヌソ村では、気候変動の影響でどんどん気象パターンが予測不能になっています。

乾期が以前より長く続くようになり、気温も上昇しているために、農家の人たちは大きな打撃を受けています。一方で、その影響を低減する取り組みが動き出しています。

ウォーターエイドとパートナーの協力のもと、地域の女性たちのグループが組織されました。代表に就任したマイモウナ・デンベレさん(70歳)や他のメンバーは、村の水源の水位を正しく監視できるように、水管理技術の訓練を受けています。

一度は水が干上がり作物も枯れ絶えてしまった土地で、現在は飲み水を確保できるようになり、女性グループは地元の農園で販売用の作物を栽培・収穫しています。

気候変動対策のために受け取る資金はわずか

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写真:手掘り井戸で水くみの順番を待つエチオピア・アムハラ州、ゴラド村の人たち(WaterAid/Frehiwot Gebrewold)

報告書はまた、気候変動の影響に対処するために、現在、これらの国々が受け取っている資金(気候変動ファイナンス)の金額が、あまりに少ないことに焦点を当てています。

すべての人が、生きていくために水を必要とします。増大する気候変動の脅威から人々を守るには、何よりもまず天候に左右されない安全な水源が必要です。

極端な干ばつ、海面上昇、洪水の頻発、強烈な嵐など、気候変動の直接的で広範な影響の多くは水に関連する災害や気象現象として表れ、そのすべてが人々の安全な水へのアクセスを脅かします。

エチオピアは、適応力指数で脆弱性が世界第23位です。そのエチオピアが、気候変動の緩和策(二酸化炭素排出量の削減など影響の軽減)および適応策のために受け取っている資金は1人当たり年間約0.39ドル(約40円)です。

開発途上国は気候変動を引き起こす二酸化炭素などの排出量は非常に少ない一方、その影響への備えは極めて脆弱で、そうした国々が受け取る支援の金額もわずかです。西アフリカのニジェールは、同じ指数で第2位ですが、気候変動対策のために受け取っている資金は1人あたり年間0.82ドル(約90円)です。


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