建設したのはなんと北朝鮮!アフリカで荒稼ぎする銅像ビジネスとは?
1)独裁国家という共通点
アフリカは民主化を果たしたといえど、まだ独裁の様な体制の国が多くあります。ジンバブエのムガベ大統領などの30年に及ぶ長期政権を構える国もあります。
そういった国の指導者は、自らの権力を誇示する傾向にあり銅像を建てたがります。広がる格差や若者の失業率が高い国々では、指導者のカリスマ性が政治において重要な役割を果たすのです。セネガル以外にも、コンゴやナミビアでも巨大な銅像が建設されています。いずれも独立時の英雄や大統領などの国民的ヒーローの像です。アフリカの一部の国と政治手法が似ている北朝鮮に対する見方は、私たちとは異なっているのです。
また植民地支配という歴史を持つアフリカ諸国の中には、未だヨーロッパに対する複雑な想いもあるそうです。一方で、日本を含むアジア諸国にはかなり有効的なイメージを持っています。そういった観点でも、ヨーロッパではなくアジアに発注する傾向にあるとも言われています。
2)安価な価格と高い技術力。
ルネサンス像の建設費19億円という価格は、実は銅で作られた割にはかなりお買い得です。一般的に建設費と比べて半分以下とも言われる価格で、精巧な銅像を作り上げるのです。
これだけの技術力を誇るのは、これまで北朝鮮国内において数多くの銅像や巨大建築物を製作してきた為です。国として職人を育て、銅像を専門とする国策会社万寿台(マンスデ)創作社も存在くらいです。この会社には芸術大学を卒業したエリートが多く在籍しているそうです。
意外と多い!?北朝鮮に友好的なアフリカの国とは。
北朝鮮は77年には既にトーゴのエヤデマ大統領の銅像を建設しています。これまでにエチオピアやナミビア、アンゴラ、赤道ギニア、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、ギニアなどで実績をあげています。着実にかつ順調にマーケットを拡大しているのです。
銅像や建造物建設を通じて、北朝鮮と有効的なアフリカの国は意外と多いといいます。セネガルと北朝鮮も友好的な関係が続いており、港には北朝鮮の国旗を掲げている船も停泊しています。
また軍事的な結びきのある国も多く、エジプトには第4次中東戦争の際にエジプトに空軍パイロットの助っ人を送っています。東アフリカのウガンダには朝鮮人民軍の顧問団による戦車部隊の訓練を行っていたこともありました。その他、ナミビアや赤道ギニアも友好国として知られています。
たった一体の銅像から、これまで知らなかった新たなアフリカと北朝鮮の姿が浮かび上がってきました。ただ指導者の自分勝手な政策が一部の人のみを肥やし、そのお金が北朝鮮に巡るというのはあまり嬉しい話ではありませんよね。
アフリカには表面だけでは見えない真実がまだまだたくさん埋まってそうです。
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