ガーナに恩返しを!元JICA協力隊が推進した、江崎グリコの新型コロナ対策支援の取り組み!

江崎グリコは、チョコレート製品の主原料・カカオ豆の主要調達先である西アフリカのガーナ共和国において、新型コロナウイルス感染症に関連する支援を実施しました。

支援はガーナの都市部と地方部の双方で実施され、都市部では日本向けマスクの製造を現地に委託することで雇用を支援し、地方部ではカカオ豆の生産地域に対し、衛生用品の物資提供と井戸建設を支援しました。

プロジェクトを推進したのは民間派遣制度を活用し、JICA海外協力隊としてガーナで1年間活動した経験を持つ、江崎グリコの高橋さんです。今回、高橋さんに本取り組みに至った背景や想いをお伺いしました。

カカオ農家に対する江崎グリコの取り組み!

西アフリカに位置するガーナ共和国は人口約2,977万人の国で、主な農産品であるカカオ豆は世界で2番目の生産量を誇っています。

江崎グリコにおいても、ガーナはカカオ豆の主要な調達先の一つで、現在販売中のチョコレート商品のほぼ全てにガーナ産のカカオ豆を使用してます。

また、江崎グリコでは安全・安心に加え、環境や人権にも配慮した調達の一環として、産地が明確な「トレーサブルカカオ豆」の調達を推進しています。

カカオ農家に感染対策支援を!

ガーナでも現在新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が増えており、8月11日時点で約4万1,000人の陽性者が出ています。

この様な状況に対し、江崎グリコでは新型コロナ感染症に関連する支援を2020年7月に実施しました。

そもそも、基本的な感染対策物資(マスクなど)が不足していたため、日系商社である立花商店と連携し、都市部から物資を送る活動を実施することにしました。

カカオ生産地域にある医療機関(診療所)では、マスクや消毒液が不足しており、医療従事者の安全と医療体制を最低限整えるため、ガーナ当局認証の医療用マスクと医療用の消毒液を提供しました。

同時に、地方部のカカオ農家は生活環境に課題を抱えており、特に綺麗な水へのアクセスが悪い状況にあることを把握していたため、井戸の建設にも着手しました。

マスクの製作を通した雇用機会の提供!

また雇用支援を目的に地方部及び都市部のテイラー達に布マスクの作成方法を指導し、製作を依頼しました。

地方部では、現地のテーラーが製作した布マスクを江崎グリコが買上げ、現地のカカオ農家に配布することで、現地の雇用創出とコロナ感染予防に取り組みました。

現地のテイラーはマスク作りのノウハウを保有していなかった為、現地の人がマスクを作れるよう、マスクの型紙を提供したり、スマートフォンで動画を見せることにより、布マスクの製作技術の指導を行いました。

同時に都市部でも、株式会社DOYA及びNPO法人Dooooooooと連携し、色彩豊かなガーナ布を使用したオリジナルマスク1,000枚の製作を委託することで、雇用の機会を提供しました。

製作されたマスクは、江崎グリコの社員及びグリコファンクラブ(With Glico)の会員向けに配布されました。

DOYA 社はマスクの購入にかかる収益の一部を Doooooooo が実施する「BEAT THE COVID-19 PROJECT in Ghana」に寄付し、西アフリカ最大規模のスラム地区であるAgbogbloshie(アグボグブロシー)において食糧や衛生用品など約 1,000 名分の支援物資を配布しました。

持続可能な仕組みを共に創っていきたい!


写真:元JICA海外協力隊としてガーナで活動していた高橋さん

今回の支援をプロジェクトリーダーとして推進したのは、同社に所属する高橋将太さんです。

高橋さんはJICAの民間派遣制度を活用し、青年海外協力隊として1年間ガーナに赴任しており、帰国後にガーナに恩返しをしたいと考えていました。

そんな折に新型コロナウイルスの世界的流行が発生し、ガーナへも感染拡大の影響が及んできました。

高橋さんがガーナ在住の日本人に現地の状況を聞いたところ、都市部では感染者が増加し、地方部ではマスクや消毒薬等の物資が不足している状況であることがわかり、何か支援がしたいと考え、本プロジェクトの企画を社内に提案しました。

今回の支援プロジェクトを振り返って高橋さんは「社内への提案から支援の実施までにかかった期間は2~3か月と、スピーディーに支援を実行することができました。

これまで現地の人々は、ほとんどマスクをしていませんでしたが、政府がマスク着用を推進しており、今では都市部の半数ぐらいの人が着用していると聞いています。

農家に配布したマスクについては、新型コロナ感染防止に留まらず、農薬散布の際にも活用してもらえればと考えています。

今回の支援について、現地のカカオ農家だけでなく、その地域に暮らす部族の族長や子供たちからも感謝の言葉を頂きました。

また、ヘルスセンターからは、現地政府からの支援物資が足りていなかったことから、助かったという声を頂き、支援を実施して良かったと強く思いました。

これらは単発の取り組みではなく、今後も現地のニーズに応じて定期的な支援を行うことで、共に持続可能な社会を創っていきたいと考えています。」と語ってくれました。

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