A-GOALプロジェクト、1周年記念感謝祭を開催。マンスリーサポーター募集も開始!

アフリカのスポーツクラブを通じて、コロナの影響で生活に苦しむ人々を支援してきたA-GOALプロジェクトは5月15日、オンラインで1周年の感謝祭イベントを開催しました。

同団体の代表である岸卓巨さんはイベントで「A-GOALプロジェクトは今後、スポーツを通じて持続的に地域の課題を解決するためのプラットフォームになることを目指す」と発表しました。

それに合わせて、5月28日よりマンスリーサポーターの募集も開始します。

緊急支援から自立支援へ

「ウイルスでは死ななくても飢餓で死ぬかもしれない」

A-GOALプロジェクトは岸さんの友人であり、ケニア、ナイロビ在住のサッカーコーチ、カディリ・ガルガロさんのSOSから始まりました。

カディリさんの要望に答えるため、岸さんはアフリカやスポーツにかかわる人に声をかけ、資金集めを開始。2020年5月28日にナイロビ、カワングワレスラムにて第1回の食糧支援を行いました。

その後、マラウイやナイジェリアでも支援を実施。この1年で2000世帯以上、10,000名を越える人々に食料やマスク、せっけんなどの感染予防グッズ、生理用ナプキンなどを配布してきました。

しかし物資を配布する緊急支援を続けていくことは金銭的にも難しい。そこで打ち出した方針のひとつが、「緊急支援から持続的な活動への転換」です。具体的には現地のスポーツクラブやNGOと協力し、現地の自立支援やジェンダー格差といった社会問題に取り組むことです。

この持続的な活動はすでにもう始まっています。自立に向けていち早く動き出したのが、マラウイ、チェンべ村での農業支援です。持続可能な食料自給を目指し、野菜の栽培に取り組んでいます。

プロジェクトに参加するのは生徒や観光業で失業した人々など、これまで農業などしたことがなかった人ばかり。彼らは篤農家の指示に従って早朝5時から水やりをしたり、日本の農業専門家にオンラインでアドバイスをもらうなどして、野菜の栽培をしてきました。結果、これまでに4回の収穫をし、511世帯、2844人に野菜を手渡すことができました。

現地のローカルコーディネーター、ジョン・バナナ・マテウェレさんは「サッカークラブやツアーガイド組合のメンバーが中心となって野菜を栽培し、高齢者や障がい者、孤児といった特に生活に困った人たちに渡すことができた」と成果を語ります。

当初からチェンべのプロジェクトにかかわる東京農業大学の岡澤宏教授は「短いスパンで行う漁業と違い、農業は長期的なもので忍耐力が必要。そんななか毎日水をやり、年に4回も収穫したことは本当にすごいこと。チェンべのみんなが頑張ってくれたおかげだ」と驚きをもって話してくれました。

こういった持続可能な自立支援はケニアやナイジェリアでも進んでいます。ケニアでは食料配布を行っていたホーリースター・フットボールクラブが養鶏にチャレンジしています。すでに25羽のひなを購入して飼育をしており、今後鶏の数も増やす予定です。

ナイジェリアではA-GOALと提携するTAIYO株式会社が首都アブジャのアブジャ大学でナマズの養殖プロジェクトを始めました。ナマズはナイジェリア人の大好物。お祝いをするときは必ず食卓に並ぶという国民的食材です。A-GOALプロジェクトはTAIYOと連携し、持ち株ならぬ持ち池を持つ予定。雇用の創出と持続的な食料の提供を目指します。

アフリカと日本をつなぐA-GOAL

もう一つの方針が「A-GOALのプラットフォーム化」です。

A-GOALはこれまでに21のスポーツクラブを通じて食糧支援をするなど、現地とのネットワークを構築してきました。またアフリカ諸国に関係が深い人をはじめ、各分野の専門家、日本国内のプロスポーツチームなどアフリカとスポーツに精通した人材とのつながりもあります。

こういったネットワークや人材を、アフリカでプロジェクトを始めたい人、アフリカとかかわりたい人、アフリカのスポーツに興味がある人に活用してもらおうと考えています。

このA-GOALプロジェクトのプラットフォーム化においての成功例が、5月8日に行われたイベント「オンラインで!?~アフリカとつながるUNDOKAI~」です。これは茨城県ユニセフ協会がA-GOALとつながり開催に至ったイベントです。

国際交流イベントを手掛ける学生団体OMUSUBIが企画運営を担当。OMUSUBIは以前にもA-GOALと組んでイベントを開催していました。またA-GOALとつながりの深いJ3に所属するY.S.C.C.横浜の選手や、TAIYOがサポートするナイジェリアアスリートもイベントに参加。当日は高校生45人に対して、「仲間とつながる」というスポーツの価値を伝えることができました。

A-GOALのプラットフォームを使って動き出したプロジェクトもあります。ボツワナの元青年海外協力隊員である村上瑠希也さんによる、ボツワナに柔道場を建てるプロジェクトです。

村上さんはコロナが蔓延する前までボツワナのナショナルチームで柔道の指導をしていました。HIV/AIDSにより孤児が多いボツワナにおいて、柔道が子どもたちの居場所や生きがいになることに気づいた村上さん。いつしかボツワナに柔道場を建てたいと思うようになりました。

そんな時につながったのがアフリカとスポーツに広いネットワークを持つA-GOALでした。現在は、A-GOALの関係者とミーティングを重ね、柔道場建設のためのクラウドファンディングを企画中です。

「リオオリンピックに出場したボツワナのガビン・モゴパ選手は、柔道と出会い人生が変わった。柔道場を作って第二のモゴパ選手を輩出したい」と村上さんは希望を語ります。

ボツワナの柔道場建設以外にも、ウガンダでのサッカーボール寄付プロジェクト、セネガルでのブラインドサッカーによるコミュニティー構築プロジェクトなど、多方面でA-GOALを介したプロジェクトが進み始めています。

岸さんは「今後、A-GOALをプロジェクトの集合体にしたい」と意気込みます。

目指すは70人のマンスリーサポーター

そこで5月28日から始まるのが、マンスリーサポーターの募集です。A-GOALがこれまで行ってきた支援とともに、アフリカと日本をつなぐイベントやプロジェクトを支えるための資金を集めます。

目標は70人。月500円の寄附からサポーターになることができ、サポーターはA-GOALのプラットフォーム(Facebookグループなど)活用して、A-GOALの趣旨に沿った様々なプロジェクトの情報発信・情報交換をすることができます。

▼クラウドファンディング概要

  • クラウドファンディング期間:2021/5/28(金)~7/12(月)
  • 目標:月額寄付サポーター70人 
  • 方法:Syncableのキャンペーンページ: https://syncable.biz/campaign/1681/ から寄付金額を選択

緊急支援から持続的な支援、そしてプラットフォーム化を目指すA-GOALプロジェクト。この先5年10年を見据え、アフリカと日本がお互い助け合える相互扶助の関係を構築していきます。

A-GOALプロジェクト発足時から現地ケニアで支援に携わる福居恭平さんはこう話します。

「1年前にバタバタとはじまったプロジェクトではあるが、これまで現地が望む支援をしてきた。ビジネスでもなんでもそうだが10年続けて初めて言えることもある。引き続き現地の人と一緒に頑張りたい」

岸さんも「アフリカはまだまだ遠い存在。しかしA-GOALを通して仲間が集まり、プロジェクトが集まればアフリカが近い存在になるはず。A-GOALではこれからも日本の人々とアフリカの人々の助け合いの関係を構築していきたい」と話します。

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