10年後の自分を考え、新たなビジネスを開始!東アフリカで活動する起業家が考えるコロナの捉え方!

新型コロナウイルスに世界中が苦しみ始めて1年半以上たった今、多くの人がコロナの蔓延を恨み、一刻も早い終息を願っています。

しかし、本当にコロナはただの悪者なのでしょうか。私たちにネガティブなものしかもたらさないのでしょうか。

コロナもきっと何かしらプラスの面も持ち合わせていると思った私は、主に東アフリカで活動する日本人から、コロナをポジティブにとらえる方法を学ぼうとしています。(こちらの記事はnoteに投稿しています。そちらもご覧いただけると嬉しいです!)

第3回目の今回は、ケニアで食品加工業に携わる山本歩さんのお話を伺いました。

過去シリーズ

ドライフルーツを製造販売する会社を創業!

山本さんは農学部を卒業後、農業高校での常勤講師などを経て、2011年に青年海外協力隊(現 JICA協力隊)に参加し、ケニアの地方都市近郊の果物農家の支援に携わります。

2年半協力隊として活動する中で、農家の方々がフルーツを安く買いたたかれる、また、売れ残って廃棄される現状を知りショックを受けます。

そこでケニアに残る決断をし、主にドライフルーツを製造販売するKenya fruits solutionsを起業することとなります。

その後ドライフルーツの卸売り先であったKenya Nuts社に製造を委託し、ご自身はKenya fruits solutionsのアドバイザー、またKenya Nuts社の商品開発を請け負う外部要員として働いています。

コロナだけど良い一年だったと言えるように!

山本さんにとってのコロナは「『これから10年』を明確にするきっかけ」だそうです。

山本さんは協力隊員としてケニアに来てから、事業開始時に必要な法律や税金に関する専門知識や、従業員との間に生じる文化の違いから生まれる困難などに何度もぶつかってきたそうです。

その度にメンタルが鍛えられ強くなっていった、と話します。

しかしそんな山本さんでも、今回のコロナはあまりにも突然で、予想外の出来事であったため、ダメージは大きかったようです。

ケニアでは3月半ばに初めての感染者が見つかり、その後速やかに外出規制などの対策が取られました。

そのおかげで感染者数は抑えられましたが、ケニアにいた日本人の半分以上は国際線が休航になる前に帰国してしまいます。

しかし山本さんは、ケニアが生活の拠点であり、日本に帰ってもすることがなかったため、ほとんど迷いなくケニアに残ることに決めたそうです。

その後4か月は収入ゼロながらも、ケニアの生活で鍛えられた強い精神力で、「2020年が終わったときに『コロナで大変だった』と思うのか『コロナだったけどいい一年だったね』と思えるのかは自分次第だ。それなら私は後者にしたい。」と前向きだったと言います。

会社に通えなかった4か月も、時間があることを利用し、2019年に起業したLove&Meals Ltd.で、日々の忙しさから中途半端になっていたミールキットのオンライン販売を再開します。

結果的には、コロナ禍で競合が5,6社現れ中止してしまいましたが、山本さんは挑戦する姿勢を変えませんでした。


↑Love&Meals Ltd.のミールキット 

しんどい時期もあったけど、逆に雨降って地固る!

「こんなものに負けてたまるか」と活動し続けていた山本さんでしたが、急な社会の変化や外出禁止により、徐々に疲れと我慢が限界に達し、気持ちが沈み、苦しくなった時期もあったそうです。

人に会う回数の減少、治安悪化の心配、生活に困っている人の増加などにより、不安などの負の感情が少しずつ積もっていったのです。

山本さんは当時を振り返り、「人生の中で3番目にしんどかった。1番ではなかったから何とかなったけど」と苦笑しながら話されていました。

「年が明けて気持ちが吹っ切れた。中途半端に生きていてもしょうがない」

山本さんは張り詰めた気持ちが切れてから一時休憩を取り、そこで生まれたこれまではなかった沢山の自由時間の中で、生活面は同じでも気持ちの面で徐々に強くなっていったのを感じたそうです。

「コロナは終わっていないけど、雨降って地固まった。コロナ前よりもずっと調子がいい」

人生において辛い時がずっと続くわけではなく、運でも気持ちでも落ち込む時があればその後には上がる時が来ます。

山本さんは一時気持ちが沈んだ時も、この後上がるとどこかで分かっていて、「しんどい時にじたばたしても仕方ない」と思うと、徐々に気持ちが楽になったと話します。

こんな時代に生きるのであれば、医療体制が不十分で重症化した時のリスクが高いケニアに残るのであれば、自分自身がやりたいことに対して真剣に向き合おう、と「生きている意味」をより深く考えるようになったそうです。

その結果、「未来を創るのは自分であり、能力や個性を活用して生きるべきだ」、「これまでずっと携わってきた食品業にこの先も関わっていきたい」という自分の思いに気付いたと言います。

コロナのおかげで10年後の自分を考える機会になった!

単純な個人的な困難ではなく、社会がどうなるか分からない状況の今、これからの10年で自分がどうしたいかを明確に考えたようです。

今年2021年は、山本さんがケニアに協力隊として初めて来た2011年からちょうど10年目です。

その節目の年に、「今」に一生懸命だった山本さんは、自分自身と向き合う時間を手に入れ、これまではそこまで深く考えてこなかった「10年後」について考えました。

これはコロナのおかげだといっても過言ではないと言います。

そして、これからの10年のはじめの一歩として、今回新たに「食生活を改善してより健康で幸せになってもらう後押しをしたい」と新しい食品の開発に取り組んでいます。

2021年9月に、ケニアでミール・リプレイスメントといわれる食品を製造・販売する会社Revive Food ltd.を新たに設立したのです。

手軽に栄養を取れる食品を提供することで、習慣になりなかなか改善することが難しい食生活を見直し、ケニアの方々の健康促進を手助けしたいそうです。


↑ケニア人メンバーと共に

編集後記

10月30日からRERDYFORにてクラウドファンディングを行っています。

まずはサイトを訪問し、山本さんの思いを感じていただけたらと思います。

そしてもし良かったら、山本さんと共にケニアの健康と幸せをサポートしていただけたらと思います。

山本さんも、多くの人々同様、コロナによって沈んだ時期はありました。

しかしそこを乗り越えた今、山本さんはコロナ以前よりも確実に強くなり、前に大きく進み始めています。

私も山本さんの挑戦する姿勢を見習い、前に進み続けたいと思います!

クラウドファンディング詳細

  • プロジェクト名:ケニアでシェイクパウダーを販売して、人々の食生活をより良くしたい!
  • 目標金額:1,000,000円
  • 期間:2021年12月4日(土)午後11:00までです。
  • 記事URL:https://readyfor.jp/projects/ReviveFoodKenya

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