山口県宇部市に位置する宇部工業高等専門学校において、内田昊希さん(物質工学科2年)、赤崎百星さん(経営情報学科2年)、末次叶英さん(物質工学科1年)が、Kosen Open Innovation challenge powered by JICA 2022(主催:長岡高専、JICA)に参加し、ルワンダ共和国の栄養改善を目指して、現地でアプリの実証に取り組みました。そのなかで、アプリ開発に協力する企業や現地校、ローカルマーケットを訪問しました。
高専とJICAがコラボでアイデア創出!
Kosen Open Innovation challenge powered by JICA 2022とは、高専とJICAが連携して、世界の課題解決を目指す取組みです。
各高専の学生が、与えられたテーマに対する課題解決のためのアイデアを練り上げ提案します。
入賞したチームには、プロトタイプ(試作品)を製作し、それを現地で実証する機会が与えられます。
なお、この事業は、第 5 回日本オープンイノベーション大賞内閣総理大臣賞を受賞しています。
栄養改善アプリの開発経緯!
宇部高専の学生チームは、Kosen Open Innovation challenge powered by JICA 2022において、今年度のテーマの1つであった「スマホアプリで収集するデータを活用した子どもの栄養・健康を改善するアイデア求む」に応募し、見事入賞。
ルワンダ共和国で実証実験に取り組む機会を得ました。
実証実験の決定後には、中尾真尋さん(制御情報工学科4年)もチームに加わり、約3か月間にわたり、具体的なアプリ制作に取り組みました。
現地で使えるものにするためには、現地の方の意見も重要なことから、製作過程では、一か月に1~2回のペースで現地の協力企業であるNuMutware社の方とオンライン会議を設け、現地の方と意見交換しながら開発をすすめました。
ルワンダ渡航で実証実験!
令和5年1月4日(水)から11日(土)には、内田さん、赤崎さん、末次さんが実証のためにルワンダ共和国に渡航しました。
まずは現地の協力企業であるNuMutware社の方やその関係者にアプリを見せ、使い方等を説明しました。
また、現地で実際に食べられている物を確認するため、ローカルマーケットを視察しました。
他にも、トゥンバ高等技術専門学校の教員たちにもアプリを試用してもらい、意見収集を行いました。
集まった意見は、日本で待機していた中尾さんと連携し、滞在期間中もアプリの改良を重ねました。
最終日にはJICAルワンダ事務所を訪れ、アプリの説明や、今回の渡航で得られた成果等を報告しました。
利用者の声を反映し、更なる改善を!
令和5年2月9日(木)には、Kosen Open Innovation challenge powered by JICAの最終報告会に参加し、得られた成果についてJICAに報告しました。
宇部高専は、「今回、現地の方とやり取りしながらものづくりをできたことは、将来ものづくりをする技術者を目指す学生にとって、非常に貴重な経験になりました。
特に、『使えるものを作るためには、使う人達の考えを知ることが大事』ということを痛感する機会になりました。」
とコメントしています。
現在、現地で得られた意見を反映してより良いアプリに仕上げるべく、引き続きアプリ製作に取り組んでいます。
実際に現地の人に使ってもらい、目的であるルワンダの栄養改善に貢献できるように、関係者と力を合わせて取り組んでいく予定です。