商船三井子会社KiliMOL、ケニアの田植え機械化事業がJICA支援事業に採択!

2022年9月にケニアで実施された田植機のデモンストレーションの様子

株式会社商船三井の社員提案制度から生まれた「アフリカへの農機輸出事業」を行うKiliMOL株式会社は、2月27日、株式会社唐沢農機サービスとともに応募した「ケニア国田植機利用のための育苗技術開発と田植機を活用したビジネス化実証事業」が、独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)の実施する「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択されたと明らかにしました。

米の消費量の80%を輸入に頼るケニア!

ケニアにおいて農業は、GDPの27%、雇用の60%、輸出額の65%を占める基幹産業です。

しかしコーヒー豆、紅茶、野菜といった商品作物を多く輸出する一方で、小麦、米といった主要穀物は輸入に依存している現状です。

とりわけ米に関しては、米の消費量の高まりを受けて国内生産量も増加傾向にあるものの、未だ消費量の約80%を輸入に頼っています。

ケニア政府は米の自給率向上を目指し稲作灌漑地域の拡大を図っていますが、田植えはほぼ全て手作業で行われており、その拡大ペースに人手が追いついていません。

加えて、手作業で植えられた苗と苗の間隔は不均等であるゆえに除草作業が非効率になっており、これらが生産コストの増大に繋がっていることから、田植えの機械化により大きな生産性向上の余地があります。

アフリカへの農機輸出事業を行うKiliMOL!

木更津港にて農機が自動車専用船に積み込まれる様子

KiliMOL株式会社は、商船三井の社員提案制度から生まれた「越境ECサイトを活用したアフリカへの農機輸出事業」の運営会社として、2021年5月に設立されました。

同社は、ケニアにおいて農業生産性の向上と農業の機械化を進めることを目的に、田植え機械化事業を推進していています。

開発途上国をはじめとする世界各国の農業国では、日本の高品質な農機具の需要は高く、農機具メーカーにとっても新規顧客を獲得できる国際市場は魅力的なものでした。

しかし、輸出の各種手続きや為替リスクなど輸出特有の課題に直面し、その参入障壁の高さから多くのメーカーが二の足を踏んできました。

こうした状況の中、KiliMOLは総合海運企業として130年余の歴史を誇る商船三井の輸送ネットワークを活用して、唐沢農機と連携しながら中古の田植機を日本からケニアに輸出しています。

加えて、現地で機械化を定着させるための育苗技術などの技術支援も行っています。

JICAによる「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択!

ケニアでのデモンストレーションにてコンバインで稲刈りする様子

そんなKilliMOLは、JICAによる2022年度「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択されたことで、JICAの支援を受けながら事業を進めることになりました。

中小企業・SDGsビジネス支援事業とは、JICAのもつネットワークやノウハウを日本の民間企業等に提供することで、彼らの開発途上国の課題解決に関するビジネスづくりを支援しようとするものです。

KiliMOLは、ケニア政府関係省庁とも連携しながら現地の実情に合わせた事業展開を通じて大規模な育苗環境を整備し、田植機の普及を促進させ、農業の生産性向上、ひいては飢餓や貧困の削減への貢献を目指すと表明しています。


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