株式会社Dots forは、ブラザー工業と協力し、アフリカの農村部における印刷・コピー事業の実証実験をベナンで開始しました。
「村のデジタルコンビニ」サービスを通じて、デジタルインフラが不足する農村地域での情報アクセスと機会の拡大を目指しています。この実証実験により、住民が公的書類や学校教材の印刷を簡単に行える環境を提供し、地域経済の活性化にも貢献します。
ベナン農村での印刷・コピーサービスの実証実験開始
株式会社Dots forは、ブラザー工業株式会社およびその中東・アフリカ向け販売会社であるBROTHER INTERNATIONAL (GULF) FZEと協力し、ベナン共和国の農村部にて印刷・コピー事業の実証実験を開始しました。
2024年9月より展開されるこの取り組みは、Dots forが運営する「村のデジタルコンビニ」の一環として行われます。ブラザー工業の耐久性に優れたインクジェット複合機を使用し、スマートフォンを通じて簡単に印刷・コピーができるサービスを提供することで、これまで情報や機会へのアクセスが限られていた農村住民の生活の向上を図ります。
この実証実験は、村の住民が公的書類や学校教材の印刷を簡単に行える環境を提供し、印刷・コピーの需要を確認するとともに、事業化の可能性を探るものです。現在、多くの農村住民は、印刷やコピーのために数十キロも離れた街まで一日を費やして移動しなければならない状況です。
今回の取り組みでは、このような状況を改善し、地元住民が手軽に印刷・コピーを行える環境を整えることで、日常生活の利便性を大幅に向上させることが期待されています。
デジタルインフラが不足する農村地域の課題と解決策
アフリカの地方農村部には、デジタルインフラがほとんど存在せず、情報格差や機会格差が深刻な問題となっています。
既存の通信会社は採算性の観点から農村部へのインフラ投資を行っておらず、その結果、先進国と途上国、都市部と地方間の格差が拡大する一方です。特に、印刷やコピーといった基本的なサービスが提供されていないことが、農村住民の日常生活に大きな影響を及ぼしています。
Dots forは、このような問題に対処するため、「村のデジタルコンビニ」というコンセプトで農村部における複合サービスを展開しています。このサービスは、通信インフラとデジタルサービスを垂直統合することで、情報やサービスへのアクセスを提供し、農村部の住民が自身の居住地から離れることなく収入を増やす手段を提供することを目的としています。
今回の実証実験も、その一環として、印刷・コピーサービスを通じて農村部の課題を解決するための重要な取り組みです。
実証実験による地域経済の活性化と今後の展望
今回の実証実験では、ベナン共和国の複数の村において、印刷・コピーサービスを提供することで、地元経済の活性化も期待されています。村のDots forエージェントが印刷・コピーの売上からコミッション収入を得ることにより、地元の収入増加を目指します。
さらに、Dots forのプラットフォームを通じて、これまで利用できなかったデジタルサービスが住民に提供されることで、生活の質の向上が見込まれます。
Dots forは、2021年の設立以来、アフリカ農村部のデジタル化を推進し、「アフリカ地方部の制約をなくす」ことを目指しています。
今回のベナンでの実証実験は、同社のミッションである「2030年までに西アフリカの地方部に住む2億人がインターネットに繋がり、その利便を享受できる社会を作る」に向けた重要なステップと位置付けられています。今後、ベナンや他のアフリカ諸国でのさらなる展開が期待されます。
- 記事提供元:ブラザー工業とのアフリカ農村での印刷・コピー事業についての実証実験を開始|PR TIMES