認定NPO法人テラ・ルネッサンスが、不要なスマートフォンの回収を通じて、コンゴ民主共和国での紛争鉱物問題の解決とゴリラの保全に取り組んでいます。
上野動物園など全国4つの動物園がこの活動に協力し、9月24日の「世界ゴリラの日」に向けて回収ボックスを設置。スマホ1台につき30円が紛争被害者の支援に使われ、環境保護にもつながります。
レアメタル問題を解決し、紛争を抑制する「ケータイ for コンゴ」
「ケータイ for コンゴ」は、不要になったスマホの回収を通じて、コンゴ民主共和国の紛争鉱物問題を解決することを目的としたプロジェクトです。スマホに含まれるレアメタルは、世界中のIT機器に使用されていますが、その採掘が環境破壊や紛争の原因となっているのが現状です。
特に、コンゴでは1998年以降、レアメタルなどの天然資源をめぐる紛争で540万人以上が犠牲となっており、現在もその影響で多くの人々が生活に困難を抱えています。
このプロジェクトでは、回収されたスマホ1台につき30円が、認定NPO法人テラ・ルネッサンスが実施する紛争被害者の職業訓練などの自立支援に充てられています。
紛争の背景には、スマホなどの製造に必要なレアメタルの権益争いがあるため、レアメタルの再利用を促進することで、紛争を抑制しようとする取り組みです。
全国の動物園が協力しゴリラ保全を支援
このプロジェクトは、ゴリラの保全にもつながる重要な活動です。スマホなどのIT機器に使用されるレアメタルの採掘が、コンゴの自然環境を破壊し、ゴリラの生息地を脅かしています。
こうした状況を受け、9月24日の「世界ゴリラの日」に向けて、上野動物園、千葉市動物公園、日本モンキーセンター、京都市動物園が協力し、不要なスマホを回収するボックスを設置します。
2023年度には、4つの動物園で合計2,272台の使用済みスマホが回収されました。回収活動は、ゴリラの保全を推進するだけでなく、レアメタルの再利用を通じて、紛争や環境破壊の抑制に寄与することが期待されています。特に、ゴリラの個体数が減少している現在、こうした取り組みは大きな意味を持ちます。
コンゴの紛争被害者支援と持続可能な社会の実現へ
テラ・ルネッサンスは、コンゴにおける紛争被害者の自立支援にも注力しています。これまで、職業訓練や支援活動を通じて、多くの人々が新たなスキルを身につけ、貧困や紛争の影響から脱却する手助けをしてきました。
2023年に実施されたスマホ回収活動により得られた資金は、こうした支援活動に役立てられています。さらに、レアメタルの再利用は、自然環境の保全にもつながり、すべての生命が平和に生活できる社会の実現に向けた重要な一歩です。
テラ・ルネッサンスでは、紛争鉱物問題の解決を目指すだけでなく、全世界のIT機器利用者に対しても、持続可能なサプライチェーンの実現に向けた意識改革を呼びかけています。
各園の実施期間について
全国4園で2024年9月以降に回収ボックスが設置されます。
- 上野動物園:2024年9月18日(水)~2024年12月28日(土) 2023年度回収実績:222台
- 千葉市動物公園:2024年9月19日~常設 2023年度回収実績:460台
- 日本モンキーセンター:2024年9月19日~常設 2023年度回収実績:95台
- 京都市動物園:2024年9月22日~常設 2023年度回収実績:1,053台
- 記事提供元:不要になったスマホの回収支援でゴリラの保全を呼びかけ。上野動物園など日本でゴリラを飼育する6園のうち4園で実施|PR TIMES