ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーアグリ株式会社は、コートジボワールを拠点とする販売代理店ATC Comafrique社との協業により、西アフリカ地域における農機事業の大幅な拡大を発表しました。
2035年度までに同地域の16か国で販売・サービス展開を目指しており、稲作振興を中心とした地域農業の発展に貢献することを狙います。ヤンマーは、現地のニーズに合った機械とATC社の広域ネットワークを掛け合わせ、アフリカの持続可能な農業支援を進めていきます。
ヤンマーとATC社の企業背景と強み
ヤンマーアグリ株式会社(以下、ヤンマー)は1912年に日本・大阪で創業し、1933年には世界初の小型ディーゼルエンジンの実用化に成功した産業機械メーカーです。
アグリ、建機、マリン、エネルギーシステムなどの分野でグローバルに事業を展開しており、「A SUSTAINABLE FUTURE(持続可能な未来)」の実現をブランド理念として掲げています。特に近年は環境負荷ゼロを目指す取り組みを強化しています。
一方、ATC Comafrique社(以下、ATC社)は、コートジボワールの大手財閥であるBillon Familyグループの一員として1966年に設立され、西アフリカにおける自動車・農機販売のリーディングカンパニーです。
現在は3か国に6つの展示拠点と14のサービス拠点を展開しており、地域に根差した強力なネットワークを有しています。2021年にヤンマー製耕うん機の取り扱いを開始して以来、信頼関係を築き、今回の大規模協業につながりました。
西アフリカ16か国への農機を展開!
ヤンマーは、今回ATC社との業務提携により、西アフリカ地域における農機事業の大幅な拡充を進めます。2025年度から段階的に展開を開始し、最終的にはコートジボワールやガーナをはじめとする16か国での販売・アフターサービス提供を実現する予定です。
本協業では、ヤンマーの農業機械の販売とメンテナンス業務をATC社が担当し、現地の販売網を通じて安定したサービス体制を築いていく方針です。
西アフリカは、これまでカカオやパーム油の栽培が主流でしたが、人口増加に伴う食料需要の拡大により、米などの穀物栽培が注目されています。
ヤンマーは稲作に適した機械を強みとしており、この分野での貢献を目指しています。ATC社の地域密着型ネットワークとの連携により、アフリカ農業の機械化を一層推進していく構えです。
農業への機械導入を推し進める!
今回の提携では、ATC社の本社があるコートジボワールをオペレーションの中核拠点とし、対象国すべてにおいてヤンマー製トラクター、コンバイン、耕うん機、エンジンなどを供給します。
加えて、各種製品の部品提供やアフターサービスにも対応し、機械の長期使用を支援する体制が整えられます。
アフリカでは農業の機械化が進んでおらず、労働集約的な作業が依然として主流です。
こうした課題に対し、ヤンマーとATC社は、現地の農業従事者が効率的に生産活動を行えるよう支援することを目的としています。特に稲作における機械導入は、収穫量の向上と収穫後ロスの削減に貢献するため、地域の食料安全保障にとっても重要な一歩となることが期待されます。
- 記事提供元:コートジボワール代理店ATC Comafrique社との協業で西アフリカ16か国における農機事業を拡大|PR TIMES