商品価格の急落によって低迷するアフリカ経済!復興のカギは都市にあり!?(世界銀行レポート)

復興のカギは都市にあり!?アフリカ成長の原動力。

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アフリカで都市の拡大が急速に進む中、都市の潜在性を経済成長の原動力へと転換する可能性が残されていると、世界銀行の報告「アフリカの鼓動」は指摘しています。資源の豊富な国々に悪影響を与えた原油価格と一次産品価格の急落によって、アフリカにおける経済の多様化が急務である事が明らかになりました。都市化の進行と都市の適切な管理は、多様化に向けた飛躍の足がかりとなり得ます。

都市の拡大は本来、適切に管理されれば、経済成長と生産性増加を促進することができます。ところが、アフリカの都市では集積の経済が実現していないため、生産性増加による恩恵が享受されていません。それどころか、食糧、住宅、交通といった各種コストの高騰が問題となっています。

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アフリカの都市部では、住宅と交通のコストが特に高くなっており、住宅価格は住民の所得水準に対して約55%高い傾向にあります。また車両や輸送費を含む交通コストは、他地域の都市に比べ約42%高く、個人や労働者だけでなく、企業も高い都市コストを負担しています。各国の比較では、アフリカの都市にある製造企業が支払う名目賃金は、開発レベルが同程度の他地域の都市に比べ高いことが確認されています。

機能的な都市とは、住みやすく、他の都市と結びつき、物価が手頃である事から、集積の経済が成り立つ都市です。そうした都市の構築のために政策担当者は、より根本的な構造的問題に立ち返り、誤った土地配分、開発の細分化、生産性の抑制を解消する事が求められます。

同報告を執筆したプナム・チュハン・ポール世界銀行アフリカ地域総局チーフ・エコノミスト代行は、「成長と社会開発を確実に進めるためには、企業にとってコストが低く、投資家にとってより魅力的な都市でなければならない。さらに、行政サービスや快適さにおいて住民への配慮も求められる。いずれもその実現のためには、都市の土地市場や都市規制の改革と、早期のインフラ投資計画が必要となる。」と述べています。

アフリカの経済の今後の向けて

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サブサハラ・アフリカ諸国は、世界的な一次産品市場の価格低迷と乱高下に左右される脆弱な経済体質から抜け出す必要があります。各国政府は、こうした一次産品の低価格に適応し、経済的脆弱性の課題に取り組む他、持続可能で包摂的な成長を支える新たな資金源を手当する必要があります。アフリカにおける都市密集地の拡大を、多様化に向けた飛躍の足がかりとするために、効果的な都市計画の立案と調整が求められています。


同記事は、半期に一度アフリカ経済の最新動向とデータ分析を行う世界銀行の報告「アフリカの鼓動」に関する世界銀行のプレスリリースより引用しています。世界銀行の報告書の原文はこちらからご覧ください!

アフリカ地域における世界銀行の取組みについての詳細は、以下のウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.worldbank.org/en/region/afr (英語)
「アフリカの鼓動」の詳細は、以下のウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.worldbank.org/africaspulse (英語)

1st Photo credit: 世界銀行プレスリリース
2nd Photo credit: GotCredit via VisualHunt / CC BY
3rd Photo credit: stefano peppucci via Visualhunt / CC BY-ND
4th Photo credit: Ninara via Visual Hunt / CC BY
5th Photo credit: rogiro via Visualhunt / CC BY-NC
6th Photo credit: Maker Faire Africa via Visual hunt / CC BY


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