国際協力機構(JICA)は2025年11月12日、アフリカ大手のプライベート・エクイティ(PE)ファンドであるHelios Investment Partners(Helios)との間で、同社が運用する第5号ファンド「Helios Fund V」への出資契約を締結しました。
本出資は、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)や欧州投資銀行(EIB)を含む開発金融機関および民間投資家との協調によって実施されるもので、総額5,000万米ドルを拠出します。
本事業はTICAD9のサイドイベントで発表された官民共創のインパクト投資イニシアチブ「IDEA」の旗艦案件として位置づけられ、アフリカ地域における企業競争力強化および金融アクセス拡大を通じて、持続可能な産業育成に寄与することが期待されています。
アフリカ最大級PEファンドへの戦略的出資
JICAが今回出資する「Helios Fund V」は、アフリカに特化したPEファンドの中でも最大手の一角を占めるHelios Investment Partnersが運用する第5号ファンドです。出資額は5,000万米ドルで、対象地域はアフリカ広域に及びます。
本ファンドは金融包摂やデジタル包摂など、同地域の産業育成に資する事業を展開する企業への投資を主目的としており、地域の成長を支える幅広い分野で活動する企業を支援する仕組みを備えています。
また、本事業はPE市場そのものの育成を通じて金融アクセスの拡大にも寄与するもので、アフリカ地域における民間主導の経済成長を促進する重要な役割を担います。
TICAD9の場でプレコミットメントが表明された本件は、JICAが推進する官民連携型支援の象徴的取り組みとして位置づけられています。
IDEAイニシアチブの旗艦案件としての位置づけ
今回の出資は、2025年8月22日に横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のサイドイベントにおいて、JICAが発表した官民共創によるインパクト投資イニシアチブ「IDEA(Impact Investing for Development of Emerging Africa)」の中核をなす旗艦案件です。
IDEAは、JICAの海外投融資スキームが触媒となり、開発金融機関、民間金融機関、ファンドマネージャーなど多様なパートナーと連携することで、次回のTICAD10までに官民総額15億ドル規模のアフリカ向け投融資を実現することを目指した枠組みです。
TICAD9のサイドイベントでは、Heliosだけでなく、アフリカのスタートアップ生態系を支えるVCであるNovastarや、インド・アフリカの金融包摂を推進するAavishkaarへの出資のプレコミットメントも発表されました。
当日は180名を超える参加者が集まり、JICA関係者やアフリカ開発銀行、英国国際投資公社、三井住友銀行などが登壇し、アフリカにおける民間資金動員に向けた課題と可能性について議論が行われました。
JICAが主導するIDEAは、アフリカにおける人間の安全保障の実現およびSDGsの達成に向けた重要な取り組みとして期待されています。
SDGs達成への貢献とアフリカ産業育成の展望
本事業は、アフリカ地域における産業育成と持続可能な成長を支援するための重要な取り組みとして位置づけられており、SDGsの複数の目標に貢献する点が強調されています。
具体的には、ゴール5(ジェンダー平等)、ゴール8(働きがいも経済成長も)、ゴール9(産業と技術革新の基礎をつくろう)、ゴール10(不平等をなくそう)、ゴール13(気候変動に具体的な対策を)、そしてゴール17(パートナーシップで目標を達成しよう)に関連しています。
JICAが主導するIDEAの枠組みにより、官民が連携して投資規模を拡大し、アフリカ企業が持続的に成長できる金融エコシステムを育てていくことが期待されています。
今後のアフリカ市場では、民間資金の役割が一層高まり、Heliosをはじめとする地域の金融プレーヤーが経済発展の重要な担い手となる見通しです。
- 記事提供元:アフリカ広域「産業育成PE投資事業」に対する出資契約の調印(海外投融資):アフリカの成長企業への投資を通じ産業育成に貢献|JICA ニュースリリース















