インタビュー企画『南アフリカ・ヨハネスブルグの街角から』!アパルトヘイトやネルソン・マンデラで知られる南アフリカ。多様な人種が住んでいることから、「レインボー国家」と言われています。南アフリカの大都市、ヨハネスブルグで出会った人々に聞いてみました。

あなたは南アフリカで差別にあったことがありますか?

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  • 街行く人6:Grant
  • 出会った場所:ヨハネスブルグ、Hillbrow

そうだね、僕個人として差別にあったことはないかな。ヒルブロウ出身の身として、ツアーをやっていると、この地域に対して差別や偏見があることはしょっちゅう感じているけれどね。ここヒルブロウには、特に近隣のアフリカ諸国からの移民が多く住んでいる。

中には不法滞在をしている人もいるんだ。ヒルブロウは外国人の比率が多いから、公立学校への補助金も出にくかったり、ここに対する国内政治家の関心は薄くなる。

自分自身のことでなければ、ここではナイジェリア人がよく差別される。ジンバブエやモザンビークなどの隣接している国の人は、受け入れられやすいけど、ナイジェリアは地理的にも遠いし、ドラッグの密売などで有名なんだ。

ナイジェリア人だというだけで、家を借りれなかったり、差別的な扱いを受けることが多い。

偏見は家に置いてきて欲しい!(編集後記)

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インタビューをしたヒルブロウ地区は、ヨハネスブルグで最も治安の悪いエリアだと言われています。実際にギャングが住み着いていた時期があったり、廃墟が多かったり、売春宿があったり・・・。

実はこのヒルブロウ、アパルトヘイト時代は白人居住地にあたり、ビジネスの中心地。アパルトヘイト後期には、Mixed Areaとされ、混血の人もアジア人も、そして黒人も居住することが許されました。

しかし、他国からの制裁(※1)による不況や、非白人居住区の住宅不足などによって、地域に流入する非白人比率が増加し、白人は他の地域に流出します。

次第に警察からも見放され、ギャングが入りびたるように。そして、悪名高い凶悪地区、ヒルブロウが生まれたのです。

現在、ヒルブロウにあるターミナル駅は、ヨハネスブルグに出稼ぎに来る外国人労働者の玄関口になっています。飛行機で入国する場合はヒルブロウを通る必要はありませんが、陸路で入国する場合に、必ずと言っていいほど通過する駅です。

そのため、近隣のアフリカ諸国からの移民が多く住んでいます。中には不法滞在している人もいるため、ヒルブロウの正確な住民数は誰にもわかりません。

今回話してくれたグラントさんは、そんなヒルブロウのツアーガイド。悪名高いヒルブロウも、2010年のワールドカップ開催地となったことをきっかけに、徐々に変化していっていると言います。地域の再開発が進められ、治安が回復してきた地域もあるそうです。

彼が子どもの頃は、ヒルブロウで観光客向けのツアーをすることは危険すぎる状況でしたが、今は昼間のツアーを開催できるほどになりました。

それでも、一旦インターネットを通じて広まった凶悪犯罪や治安の悪さの情報は、簡単には消えません。ネットの情報や噂は、その地域の実際の状況と乖離していることは多々あります。

彼はヒルブロウの評判についてこういいます。「ヒルブロウは”危ない”、という人に限って、ここに来たことがない場合が多いんだ」

彼がガイドするツアーの注意書きにはこうあります。「偏見は家に置いてきてください」とても大切な心得だと感じました。

 

チャリツモ

シリーズ企画(過去記事)

あなたは差別を受けたことがありますか?〜南アフリカ ヨハネスブルグの街角から〜

アパルトヘイト時代の黒人専用居住地、ソウェトから伝えたいこと!〜南アフリカ ヨハネスの街角から②〜

肌の色で判断されるステレオタイプな社会で生きる!〜南アフリカ ヨハネスの街角から③〜

差別を無くすには、ヒトとして知ろうとすることから!〜南アフリカ ヨハネスの街角から④〜

未だに残るインド人に対する差別的感情とは!?〜南アフリカ ヨハネスの街角から⑤〜

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ばんゆかこ

ばんゆかこ

フリーライターチャリツモ
他人事から自分事へ。チャリツモは、クリエイターが社会問題をわかりやすく伝えるメディアです。自分たちのアクションで、より良い社会が作れると信じて、クリエイターや社会問題の当事者が、日々情報発信しています。メディアの他にも、多世代で社会問題を語り合う場を増やすために「社会問題見えるカルタ」を制作し販売しています。また、受託でのクリエィティブワークも取り組んでいます。