こんにちは! アフリカンファッションに興味津々な「恋する旅ライターかおり」です。
「世界一キレイ」と言われる日本のトイレ。日本を離れて発展途上国を訪れると、衛生環境の低さに唖然としてしまうこともありますよね。アフリカ地域でも、まだまだ一般家庭や学校に衛生的かつ安全なトイレが備わっていません。
そんな途上国の衛生環境を改善しようと立ち上がったのが、日本で初めてシャワートイレを開発した「株式会社LIXIL(リクシル)」です。今回、同社が立ち上げた事業が「みんなにトイレをプロジェクト」。一体型シャワートイレ1台を購入すると、途上国へ簡易式トイレ「SATO」がLIXILから寄付されます。(2017年9月まで)
このプロジェクトをピエール瀧さんと山下智久さんが出演されているテレビCMで知った私は、心から共感! 直接LIXILさんを訪問し、アフリカの衛生環境とプロジェクトの概要を伺ってきました。
世界の24億人は、安全で衛生的なトイレが利用できていない
–今回の「みんなにトイレをプロジェクト」の立ち上げには、どんな背景があったのでしょう?
世界の衛生環境は現在、以下のようになっています。
- 安全で衛生的なトイレを利用できない人々・・・24億人
- そのうち野外で排泄をしている人々・・・9億5千万人
- 下痢性疾患で命を落とす5歳未満の子ども・・・800人/1日
- 衛生的なトイレの不備による2015年の経済的損失・・・推定約22兆円
22兆円の経済損失の内訳は、以下の通りです。衛生環境の不備は病気や機会損失を引き起こし、それらが積み重なって大きな損失になってしまいます。
- 人的損失・・・1,228億ドル(約12兆円)
- 生産性の低下・・・165億ドル(約1.7兆円)
- 医療費・・・566億ドル(約5.7兆円)
- トイレの不足による時間の損失・・・270億ドル(約2.7兆円)
我々はこれまでも、アジアやアフリカ地域での簡易式トイレの普及を続けてきましたが、より衛生環境の改善に注力したいと考え、大々的にプロジェクト化して進めることになりました。事業に関わる一部の人間だけでなく、LIXILの全社員とパートナーさまも一体となって事業に取り組んでほしいとの想いがあります。
–寄付だけでなく、現地の雇用創出にも取り組んでいるんですよね。
はい、2013年から取り組みを開始し、現在はバングラデシュ・インド・ウガンダ・ケニアのパートナー企業と提携しています。現地のパートナー企業とライセンス契約を締結し、簡易式トイレの製造・販売・取り付けまでを現地に任せることにより、雇用を生んでいます。
やはり寄付だけで現地に根付かせることは難しいので、継続するために事業化を進めています。2017年3月時点で、世界に120万台以上の簡易式トイレが設置され、600万人の衛生環境が改善されました。
–簡易式トイレは、現地の工場でも簡単に製造できるものなんですか?
金型とノウハウは当社から提供していて、特別な技術がなくても製造できるような体制を整えています。一から現地で製造するのは、やはり難しいですし費用もかかってしまいますので。