新型コロナウイルス(COVID-19)が、世界中に急速に広がる中で、こまめに手を洗うことは、新型コロナウイルスの感染を防ぐ最も重要な方法の1つですが、後発開発途上国では、人口の約4分の3が、水と石けんを使うことのできる手洗い設備を使うことができません。世界34カ国で活動する水・衛生専門の国際NGO ウォーターエイドは、活動中の各国で、様々な活動を始めています。
世界の40%の家庭に、手洗い設備がない!
写真:ウガンダで提供・設置した足踏み式手洗い設備(WaterAid Uganda)
水と石けんを使って頻繁に手を洗うことは、新型コロナウイルスの感染を防ぐ最も重要な方法の1つです。しかし、多くの低中所得国では、手洗いのための設備が家の中になく、また、手洗いの大切さや適切な手洗いの方法が広く知られているとは言えません。
現在、世界では40%の家庭に水と石けんを使うことのできる手洗い設備がありません。特に後発開発途上国では、人口の約4分の3が、水と石けんを使うことのできる手洗い設備を使えない状況にあります。
アフリカの国について見ると、水と石けんが使える手洗い設備を利用できない人口の割合は、リベリアが99%、エチオピアが92%、マラウイが91%、ザンビアが86%、ナイジェリアが58%と高くなっています。
手洗い設備を設置し、石けんやマスクを提供へ!
写真:エチオピアで提供した大型水タンク(WatrAid/Zerihun Kassa)
ウォーターエイドは1981年にイギリスで設立された水・衛生専門の国際NGOです。従来から、活動する多くの国で、現地の政府やパートナー団体、住民と連携しながら、正しい衛生習慣の普及のための大規模な取り組みを展開してきました。
水・衛生に取り組んできた団体としてウォーターエイドは、新型コロナウイルスのコントロールおよび感染拡大防止のため、緊急の取り組みとして、感染防止に重要な手洗いなど正しい衛生習慣の普及促進に力を入れています。そして、各国政府や地元の団体などと協力して活動を始めています。
エチオピアでは、政府による感染拡大防止の取り組みを支援するため、容量5トンの大型水タンク50個、2,500リットルのアルコール、1,000個の洗濯用の石けんを保健センターおよび治療施設に提供しました。
またウガンダなどでは鉄道やバスのターミナル、市場など人の集まる場所に手洗いの設備を設置しました。蛇口を手で触らなくてもいいように、足踏み式手洗い設備の設置を進めています。設置に合わせて、政府などと連携して、手洗いのキャンペーンも実施しています。
手洗いや距離確保の呼び掛けなど多様なキャンペーンも!
写真:ザンビアの店舗の床に貼られた人との距離を保つためのステッカー(WatrAid Zambia)
手洗いや人との距離を確保することなどを呼び掛ける取り組みは、各国で展開しています。国内で複数の言語が使われている国では、いくつもの言葉で発信しています。
ザンビアでは、ルサカ市やスーパーマーケットなどと連携して、順番待ちのときに距離を空けるためのステッカーを店舗などの床に貼っています。またマダガスカルではコミュニティの店舗にもポスターを貼ってもらう、きめ細かい取り組みを展開しています。
写真:マダガスカルのコミュニティの店舗での啓発ポスター(WaterAid/Ernest Randriarimalla)
ウォーターエイドの新型コロナウイルスに対する対応については、以下のページからも確認することができます。
- 記事提供元:途上国での新型コロナウイルス感染拡大に歯止めを|PR TIMES