JICAとUNICEF、西アフリカにおける協力促進に向けたパートナーシップを締結

国連児童基金(UNICEF)と国際協力機構(JICA)は2023年10月20日、西アフリカの教育分野に焦点を当てた、大規模な支援協力を開始するためのパートナーシップ枠組みに署名しました。

本パートナーシップは、両組織の強みや使命、経験や資源を結集することによって、より大きな相乗効果を生み出し、子どもたちや若者のために成果をもたらすことを目的としています。

また、長期的には、教育を通じて、同地域における災害、紛争、気候変動などに対してレジリエントな(回復力のある)コミュニティと社会の構築に貢献します。


森下拓道JICAセネガル事務所長とUNICEF西部・中部アフリカ地域事務所代表であるフェリシテ・テチビンダット

5,700万人の子どもたちが未だ学校に通えず

西部・中部アフリカ地域は、学校を退学する子どもの数が世界で最も多く、世界で学校に通っていない子どもたちの総数の4分の1にあたる、推定5,700万人の子どもたちが学校に通えていません。

不安定な治安や紛争が子どもたちが就学や通学を断念する主な原因となっており、生徒、学校職員、コミュニティの人々に対する攻撃や直接的な脅威によって、同地域の1万3,000校以上の学校が閉鎖されています。

JICAとUNICEFの更なる連携強化

JICAは、2004年にニジェールで開始され、その後アフリカの他の国々にも拡大した「みんなの学校」プロジェクトにおける技術協力を通じて、コミュニティを基盤とした学校運営を支援してきました。

日本政府による2,100万米ドルの資金協力のもと、西部・中部アフリカ地域では、既にブルキナファソにおいて、JICAとUNICEFの教育分野におけるパートナーシップを通じた支援が展開されています。

本日署名されたパートナーシップ枠組みは、西アフリカのカーボベルデ、ギニア、ギニアビサウ、マリ、モーリタニア、ガンビア、セネガルの計7カ国を対象としています。JICAとUNICEFは近日中に、マリのぜい弱な子どもたちの教育のアクセスと質の向上支援の合意文書に署名する予定です。

この新たなパートナーシップのもと、JICAとUNICEFは、サヘル地域とその周辺国において、最も支援が行き届いていないコミュニティの人々に対し質の高い教育を提供するために、ニーズを特定し、助言や技術支援を提供するために協力していきます。

UNICEFはサヘル地域の国々で高い活動能力を有しており、現場事務所を含めて176人の教育を専門とする職員が、水と衛生や子どもの保護などの関連分野の専門家と協力して支援を行っています。

2022年11月に再締結されたUNICEFとの協力覚書のもと、JICAは学校建設などのインフラ整備といったハード面だけでなく、学習の質を向上させるための教員の能力育成、学校に通っていない子どもたちのための代替教育、学校と周辺コミュニティの安全とレジリエンスを高める取り組みなど、ソフト面に対する支援にも力を入れています。

地域レベルで初となる協力枠組みの具体化

森下拓道JICAセネガル事務所長は、「本パートナーシップ枠組みは、サヘル地域の平和と安定、発展と繁栄を実現するために、力を結集していこうとする、我々の協力関係と強い決意を象徴するものです。

各国において協力枠組みが結ばれていますが、本協定は地域レベルにおいて初となる協力枠組みを具体化するものであり、アフリカで最も重要な地域でともに協力していけることを喜ばしく感じるとともに、誇りに思います。」と述べています。

UNICEF西部・中部アフリカ地域事務所代表のフェリシテ・テチビンダットは、「紛争、気候変動、経済的困窮によって、子どもたちの教育がますます脅かされているサヘル地域とその周辺諸国にとって、本パートナーシップ枠組みはまさに適時に締結されました。

この地域の未来の発展は、子どもたちの教育にかかっています。同地域に対する、日本政府と国民の皆さまの寛大で継続的なご支援に感謝申し上げます。」と語りました。


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