ウガンダ共和国は豊富な水資源を持つ一方で、気候変動と急速な都市化により水供給システムの脆弱化が進んでいます。
特に都市部では人口増加に伴う水供給の需要が高まっており、持続可能な水管理が課題です。
JICAとウガンダの国家上下水道公社(NWSC: National Water and Sewerage Corporation)は、この問題に対処するために、上下水道事業の研修拠点強化プロジェクトを立ち上げました。
プロジェクトは研修計画策定能力の向上や技能強化を通じて、ウガンダの水道セクターの持続可能な発展を目指し、南南協力と地域間パートナーシップの強化を図ります。また、SDGsゴール6と17の達成に向けた具体的なアプローチを提供しています。
多様な文化と自然資源に恵まれているウガンダ!
ウガンダ共和国は、東アフリカに位置する内陸国で、多様な文化と自然資源に恵まれています。
首都はカンパラで、主要な経済活動は農業と観光です。ウガンダはナイル川の源流としても知られ、ビクトリア湖を有します。
人口は約4,500万人で、若年層が多いのが特徴です。
経済成長が続く一方で、貧困やインフラ整備の遅れが課題となっています。政治的には、安定しているものの、民主主義の進展が求められています。
UnsplashのTony Samuel Gachieが撮影した写真
アフリカの水道インフラ改善に向けた取り組み
JICAは、ウガンダでNWSCと連携し、アフリカ域内の水道事業の課題に取り組んでいます。
このプロジェクトは、急速な人口増加により都市部で発生している水供給の問題を解決することを目的としています。
サブサハラ・アフリカでは、安全な水へのアクセス改善が進んでいるものの、給水サービスの質向上が求められています。
プロジェクトの一環として、NWSCは国内外の研修事業を通じて、経験を活かしたサービスを提供しています。
この取り組みは、南南協力や地域間パートナーシップの促進に寄与し、JICAの目指すアフリカ域内の水道事業体の学び合いや連携の推進と合致しています。
今後もJICAとNWSCは協力し、アフリカ域内の水道事業体の能力強化と成長促進を目指します。
研修計画策定能力や技能向上を通じて、研修事業の基盤を強化し、収益構造の多角化を図ります。
SDGs達成に向けた地域間パートナーシップ
このプロジェクトは、SDGsのゴール6と17に貢献することを目的としています。
ゴール6は「安全な水とトイレを世界中に」を掲げており、ウガンダの上下水道サービスの向上を目指しています。
ゴール17は「パートナーシップで目標を達成しよう」であり、地域間の連携強化を重視しています。
ウガンダのNWSCは、1990年代から改革を推進し、長期戦略に基づいた事業改善を実現してきました。
その経験を活かし、アフリカ域内の外部顧客に対して研修事業などのサービスを提供しています。
これにより、NWSCの収益構造が強化され、地域間パートナーシップの促進に貢献しています。
JICAとNWSCの協力は、アフリカ域内の水道セクターの長期的な成長と能力強化に繋がります。
これにより、地域の水資源管理とインフラの改善が期待されています。
ウガンダにおける研修拠点としての役割
ウガンダの国家上下水道公社(NWSC)は、アフリカ域内の研修ハブとしての役割を果たすことを目指しています。
研修計画策定能力や技能向上を通じて、研修事業の基盤を強化し、NWSCが研修プロバイダーとしての地位を確立することを目指します。
このプロジェクトでは、アフリカ域内の水道事業体向けの研修ニーズ調査を実施し、研修実施戦略およびビジネスプランの策定と実施が行われます。
また、国内向け研修の見直し・更新・実施も行われ、必要な情報システムの評価と改善策の検討が進められます。
さらに、「第3回サブサハラ・アフリカ水道事業体幹部フォーラム」を含む、アフリカ域内の水道事業体および研修プロバイダー向けイベントの開催が予定されています。
これにより、ウガンダがアフリカの水資源管理の中心地として発展することが期待されています。
- 記事提供元:ウガンダ向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:アフリカ域内の上下水道関係者の能力開発に向けた研修ハブ化のための支援|JICA ニュースリリース