サラヤ株式会社は、長崎大学、塩野義製薬、Connect Afyaとともに、ケニア共和国における抗菌薬適正使用(AMR対策)の支援体制構築に向けた包括的連携協定を締結しました。
4者はそれぞれの専門性を活かし、感染症対策、人材育成、国際連携を推進します。薬剤耐性がもたらす世界的な公衆衛生課題の解決に向けた、実践的かつ多面的な取り組みが始まります。
ケニアでのAMR対策に向けた包括的協定!
2025年5月9日、サラヤ株式会社は長崎大学、塩野義製薬株式会社、株式会社Connect Afyaとの4者でケニア共和国における抗菌薬適正使用(AMR:Antimicrobial Resistance)体制の強化に関する包括的連携協定を締結しました。
AMRは世界中で深刻化している公衆衛生上の脅威であり、感染症の制御、治療、予防の各側面から多様なアプローチが求められています。
4者はこれまでに、それぞれ感染症研究、薬剤開発、診断支援、衛生製品提供などの分野で実績を有しており、今回の連携はその延長線上にあるものです。
本協定では、ケニアにおけるAMR関連の共同調査・研究、ケニア政府や国際団体との連携、現地医療従事者に対する教育や人材育成、さらにはサプライチェーン支援や衛生管理支援など、包括的な取り組みが行われる予定です。これにより、アフリカ全体へのヘルスケア体制構築の礎となることが期待されています。
感染対策から国際連携まで多層的に展開!
協定に基づき、4者はAMRに関する共同プロジェクトの立ち上げを行い、ケニア国内の医療機関における実態調査を推進します。
また、塩野義製薬が提携するGARDP(Global Antibiotic Research and Development Partnership)やCHAI(Clinton Health Access Initiative)との国際連携も視野に入れ、グローバルな対策網の構築を進めます。
加えて、ケニアの医療従事者を対象にした感染制御・抗菌薬適正使用の教育研修も実施します。将来的にAMR対策の中核を担う人材の育成が目的です。
サラヤはアルコール手指消毒薬や教育ツールの提供を通じ、院内感染対策や人材育成を支援します。現地の衛生環境改善とAMR対策の両輪での貢献を目指します。
院内感染を未然に防ぐことは、抗菌薬の使用量の削減や多剤耐性菌の蔓延防止にも繋がります。こうした一連の取り組みを通じて、適切な薬剤使用を基盤とした医療環境の整備が進められます。
4者の強みを活かしたAMR対策体制!
本協定を構成する4者は、各自の専門性を活かしてAMR対策に取り組んでいます。
長崎大学は日本有数の感染症研究拠点であり、「総合感染症科・感染制御教育センター」を中心に、診療・教育・地域支援を担っています。これまでに西アフリカ・リベリアでの感染症対策支援の実績もあり、アフリカ支援の経験も豊富です。
塩野義製薬はAMRやCOVID-19を含む世界三大感染症への対応を進める企業で、アフリカにおいては母子保健活動も展開しています。
Connect Afyaはケニアを拠点に、臨床検査・医療機器販売・クリニック運営などを手がけ、ナイロビに東アフリカ最大級の総合ラボを新設しました。質の高い検査データをもとにした診断・治療の最適化に貢献しています。
サラヤは1952年の創業以来、感染対策製品と人材育成支援を通じて医療現場を支えてきました。ウガンダ現地法人をはじめとするアフリカ各国での活動を通じて、衛生・環境・健康の向上に継続的に取り組んでいます。
今回の連携協定は、こうした多角的な専門性が結集した、新たな公衆衛生のグローバルモデルといえるでしょう。