グローバルマーケティング調査会社”フロスト&サリバン”は2016年9月16日、アフリカ自動車市場に関する見通しを発表しました。一次産品依存が高いアフリカ経済は、原油や一次産品の価格下落により現状では停滞していますが、アフリカ自動車市場は2025年に向けて成長が期待されています。
フロスト&サリバンの最新の分析では、アフリカの新車販売台数は2016年の162万台から、2025年までに326万台規模に成長する見通しとなっています。また製造業が将来的にアフリカで主要な産業になると見ており、中でも自動車製造・車両組み立てが今後最も有望な産業として見込まれています。
北アフリカの1人あたりGDPが成長!自動車の普及ペースが加速!
2015年における新車市場規模は、約41.3万台で南アフリカが突出しています。次点グループは約28万台のエジプト、約27万台のアルジェリア、約12万台のモロッコと続いています。2021年頃まで、南アフリカにおいては大きな成長性は見られず、年成長率1~2%程度の成長にとどまるとみられます。一方、次点グループの成長は5~10%のペースで伸長する可能性があり、その中でもエジプト、アルジェリアは伸びが大きいとみられます。
一人あたりGDP(国内総生産)で見ても、2021年にはアルジェリアは4,500米ドル、モロッコやエジプトも4,000米ドルは超えてくる見通しとなり、乗用車の普及が始まると言われる2,500米ドルラインよりはかなり上方に向けて成長を続ける見通しであり、これらの国々の成長は期待が大きいと見られています。
現地生産を推奨!製造業がアフリカの主要な産業に!
フロスト&サリバンは製造業が将来的にアフリカで主要な産業になると見ており、中でも自動車製造・組み立て産業が今後最も有望な産業として見込まれています。アフリカの製造業は資本や労働力、インフラ面での課題が存在しますが、将来的には政策の改善や民間セクターによる投資の拡大、ビジネス環境の改善されると考えられています。
また、ナイジェリアやケニアといった国々は「ローカルコンテント政策(国内産品の調達優遇)」を導入し、中古車の輸入制限や輸入新車への関税を課しています。この様な政府による現地生産の推奨は、国内の車両組立工場の設置拡大にもつながっています。さらに、アフリカ東部では輸送回廊プロジェクトの拡大によって、交通・物流におけるビジネス機会の拡大や、同地域における商用車の需要拡大が今後5年間で期待されています。
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