西アフリカのブルキナファソでは、カボレ大統領のもとで憲法改正の準備が進められています。憲法改正にあたって、国際NGOハンガー・フリー・ワールド(HFW)では、「食料への権利」の明文化向けて活動しています。2011年現在、世界で「食料への権利」が憲法に直接記載されている国は23ヵ国と多くありません。世界食料デー連載企画の最終回では、HFWがブルキナファソで取り組むキャンペーンについてご紹介します!

憲法改正が進む、ブルキナファソ!

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アフリカ西部に位置するブルキナファソは、「高潔な人々の国」という意味の国名のとおり、穏やかで勤勉な国民性を供えています。ただ、サハラ砂漠の南に位置する内陸国で、乾燥地帯の厳しい気候のなかで国民の大半が小規模な農業に従事し、1日1.9ドル以下で暮らす貧困層の割合が55%と高く(ユニセフ「世界子供白書2016」)、十分な食料を得られず、飢餓に苦しむ人々が多いのが現状です。

ブルキナファソでは2014年10月に、27年にわたって大統領の座にあったブレーズ・コンパオレが再選を禁じた憲法の改正に着手して国民の反発を招き、大規模な市民デモが発生。コンパオレ政権が失脚しました。2015年9月に暫定大統領らを拘束する軍によるクーデターが生じたものの、市民による抗議デモなどで失敗に終わり、11月には大統領選挙が無事実施され、ロック・カボレ元首相が大統領に選出されています。現在、このカボレ大統領のもとで、憲法を改正する準備が進められており、2018年には承認のための国民選挙が行われる予定です。

食料への権利の明文化を!HFWの取り組み!

憲法への「食料への権利」記載を求めるバナーを交差点に設置
憲法への「食料への権利」記載を求めるバナーを交差点に設置

この憲法改正にあたって、ハンガー・フリー・ワールド(HFW)では、「食料への権利」を明文化するように活動しています。誰しもが生まれながらに等しく持つ、必要で十分な食料を自らの手で得られる権利=「食料への権利」は、世界人権宣言に基づく基本的な人権であり、飢餓はこの人権が奪われている状態です。明文化を求める理由は、憲法に「食料への権利」が記載されることによって、国家の責任が明確になり、それを保障する義務を国家が負うからです。

2016年7月にHFWブルキナファソ支部事務局長が、憲法改正委員の一人で法律学者であるアブドゥル・カリム・サンゴ氏に面会し、「食料への権利」の記載を求めました。サンゴ氏は「HFWの意見に賛同します。今後HFWが行う提言活動へも協力を惜しみません」と約束してくれました。

また、HFW職員はテレビとラジオの番組担当者とジャーナリストクラブのメンバーに面会。世論を盛り上げるため、「食料への権利」の内容についてわかりやすく国民に伝える番組を企画するよう依頼しました。2017年には、3回連続のラジオ番組で、「食料への権利」について、ゲストを呼んで対談することが決定し、企画が進んでいます。

憲法改正委員をゲストに招いて講演会を開催した
憲法改正委員をゲストに招いて講演会を開催した

若者たちの力も生かそうと、2016年12月には、青少年組織ユース・エンディング・ハンガー(YEH)が「『食料への権利』をブルキナファソ新憲法に起草する重要性」というテーマで講演会を開催しました。講師として招いた憲法改正委員で「食料への権利」について研究している法学者のアブドゥライ・ソマ氏が、136名の若者と新聞社やラジオの記者を前に、「『食料への権利』を憲法に記載することで、国家の義務として、食料が簡単に入手できるよう環境を整え、情報を受けやすくし、土地の改革や、都市と農村の開発が行われる」と述べ、国民が関心を持ち理解を深めるよう伝えました。

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特定NPO法人ハンガー・フリー・ワールド
1984年設立。日本、バングラデシュ、ベナン、ブルキナファソ、ウガンダで活動。「飢餓のない世界」を創るため、海外では住民主体の地域開発、国内外では、アドボカシー、啓発活動、青少年育成に取り組む。