慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業 OUI Inc.(ウイインク:株式会社OUI)は、「メガネスーパー」を全国に展開する株式会社ビジョナリーホールディングスと共同で、西部アフリカに位置するナイジェリア連邦共和国の北部・カノのECWA EYE HOSPITALに光学台・検眼鏡・レンズメータ等の眼鏡機器・器具を寄贈しました。
眼科医療へのアクセスが難しいナイジェリア
ナイジェリアでは、眼科医・医療従事者の不足による予防可能な眼科疾患による失明と視覚障害が深刻な課題となっています。
国際失明予防協会(IAPB)によれば、ナイジェリアの失明人口は130万人、視覚障がい者の人口は2,400万人に達すると言われています。
一方で人口2.1億人に対する眼科医数は540名程度と日本の約1/50であるため、眼科医療へのアクセスが難しい状況です。
特にECWA Eye Hospitalが位置するナイジェリア北部のカノには、先住民が多く居住しており、彼らへの医療アクセスの提供が重大な課題となっています。
機器の寄付で眼鏡生産を支援!
カノでは特に眼鏡のサプライチェーンが稀薄であり、視力矯正のための眼鏡も病院で提供しています。
しかし、眼鏡を作るための眼鏡機器が老朽化しており、効率的で性能を確保した眼鏡を作ることができなくなってしまっていました。
上記の状況を鑑みて、この度、ビジョナリーホールディングスと協働で、同社にて使用していた高品質・高性能な眼鏡機器をECWA Eye Hospitalに寄付することといたしました。
OUI Inc. は、「今後も様々な企業や団体、NPOや国際機関などと連携し、失明のない世界を目指して精力的な活動を続けていく」とコメントしています。
慶応義塾大学発の医療ベンチャー OUI Inc.!
OUI Inc.は、“医療を成長させる”ことを理念に、慶應義塾大学医学部の眼科医が2016年7月に立ち上げた大学発のベンチャー企業です。
眼科の診察を可能にする iPhone アタッチメント型医療機器 Smart Eye Camera (SEC) をゼロから開発し、約1年半で完成させました。
OUI Inc. は、ECWA Eye Hosptialとも、2021年から協業し、Smart Eye Cameraのパイロット実証や共同研究を進めています。
世界で活躍する Smart Eye Camera!
世界の失明原因第一位は白内障です。
白内障は適切な時期に治療をすれば失明に至らない可能性が高いにもかかわらず、発展途上国においては白内障による失明が社会問題となっています。
SECはiPhoneに取り付けて使用する小型な医療機器であるため、電気のない地域や被災地など場所を選ばず眼科診察を可能にします。
SEC は現在、世界25か国の医療過疎地で眼科診療の支援に利用されています。