三本柱で目指せ「アフリカの玄関口」!開発が進むモンバサ港のポテンシャルを大解剖!

2つ目の「柱」:北部回廊開発(北部回廊マスタープラン)

モンバサを起点とし、首都ナイロビを抜けてウガンダの首都カンパラへ至る北部回廊と呼ばれる交通網があります。

モンバサ港における輸入量のうちウガンダへの貨物は四分の一と大きく占めており、モンバサ港と大動脈の北部回廊の開発はケニアの発展は当然のことウガンダの発展にも寄与するものでもあります。

ケニアの首都ナイロビからモンバサを結ぶ「標準軌鉄道(SGR)」が中国の国有企業のもと2017年に建設され、在来線で12時間、バスで9時間を要した従来の所要時間を4時間40分へと短縮することに成功しました。

ナイロビ―モンバサ間の国道(A109)は大部分が片側1車線の対面通行のため深刻な渋滞が発生していましたが、このSGRがFCLコンテナの輸送を開始したことで、一定の改善がなされることになりました。

SGRは北部回廊をカバーするようにウガンダの首都カンパラまで段階的に延伸される予定となっています。

貨物の運搬は、道路の整備状況によるもののコストなどの様々な面において基本的に200kmまでは道路運送が、それ以上の距離は鉄道が有利とされています。

北部回廊全体のうちモンバサからナイロビまでで既に500km弱もあり、これは日本の東京から京都までに相当する距離です。

現在モンバサ港などを運営しているケニア港湾公社によって2つの内陸コンテナデポが運営されており、ここを起点とした輸送で流通の効率化を図ろうとしています。

しかし、利用率が低く港から届け先へ直接の道路輸送が行われている現状です。

現在の鉄道輸送では、直接工場や倉庫へ搬出入できる点において道路輸送に劣り、特に工場の場合定期的に安定した原材料供給が求められますが、遅延が多い鉄道運行サービスへの信頼性の低さと運行頻度の低さから応えることができていません。

つまり、より鉄道輸送の利点を活かすためには鉄道開発と並行して積極的にロジスティクス・ハブを設置していくことが求められます。

コンテナ輸送における鉄道輸送のシェア拡大は、輸送効率改善はもちろん、結果として恒常的な渋滞の解消から道路輸送の改善にも繋がり、地域住民や産業にも好影響をもたらすと考えられています。

現在モンバサ港とナイロビを結ぶ鉄道の列車数が増便され、日平均10本が往復するようになるなど、ケニア国内の物流が活発になっています。

将来的には旅客サービスによって主要産業の観光も活発になることが望ましいでしょう。

道路整備に関しても改善が始まり、高速道路建設計画や日本企業による道路維持指導の支援も行われています。

北方回廊開発はウガンダなどの貿易貨物取り扱いのために必要となっていますが、結果的には二国間の貿易と周辺の地場産業が成長することが見込まれるなどケニア国内の産業にも大きな便益があると考えられています。

港湾拡張や鉄道輸送普及への動きによって到着まで1ヶ月を要したモンバサからウガンダの首都カンパラまでの輸送が7.5日~9.5日間 8)で到着するまでに短縮されました。

ただし他国と比較すると、前述したトランジット手続きの問題で、無駄に2日間を費やしてしまっている現状があるため、そこは改善の余地があるといえます。

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